メニュー

1 ソーシャルスキルをめぐる変容

学校で子どもたちの様子を見ていると,友達とのかかわり方が未熟であることが原因で,トラブルが起きる場面をよく目にします。私は,学校という場所は,人生で学び続けていくための予備校だと考えているので,トラブルがあることを歓迎しています。子どもたちに,なぜトラブルが起きたのかと考えさせることによって,トラブルを回避するスキルを学ばせることができるからです。人とのかかわり方を,初めから完璧にできるということはありません。社会生活の準備をする学校で,さまざまな個性の友達と出会い,そこでスキルを磨くのです。
このような,人とのかかわり方を円滑なものにしていくためのコツや方法を「ソーシャルスキル」といいます。

両親のみならず祖父母や多くの兄弟たちと共に,大家族の中で育ったころには,ソーシャルスキルを自然と身につけることができる土壌がありました。しかし,核家族化が進み,家庭における関係性が希薄になったことや,放課後に遊ぶ子どもの集団が少人数化したことなどによって,人とかかわる機会は激減しました。一方で,ゲームやパソコンを媒体とした遊びが主流となり,人とかかわって遊ぶという形にも変化が表れてきました。このような,社会的環境,家庭環境の変化によって,ソーシャルスキルを学ぶ機会は,とても少なくなったといえます。
しかも,ソーシャルスキルの低下は,ここ数年の間に一段と進んでしまったように感じます。学校生活のすべての場を通して,ソーシャルスキルを意図的に教育する必要性が高まってきています。