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A 個別的な指導やトレーニング

Aは,専門機関と連携して,ソーシャルスキルトレーニング(SST)として行うことも有効です。しかし,クラスの担任や,子どもたちと日常的にかかわる教師が,気づいたときにアドバイスをしたり,支援したりすることも,とても重要です。なぜなら,子どもたちの表現が未熟だと感じたその場であれば,より実践的なアドバイスができるからです。

例えば,授業を始めるあいさつをするかしないかのうちに,「先生,今日の勉強は何するの?」と大声で質問してくるような子どもたちがいます。そのようなときには,「今,説明するからね。みんなも知りたいのに,黙って待っているよ」などと声をかけます。そうすると,周囲の子どもたちも,「先生はきっとすぐに説明をしてくれるに違いない」と思って待っていたことをほめられるので,見通しをもった言動をとることがいいことだと学ぶ機会となります。
また,このような例もあります。あるとき,高学年の子どもと廊下で出会いました。いつも一緒のはずの兄弟がいないので,「あれ? どうしたの?」と言葉をかけたことがあります。これは,あまりにも曖昧な言葉かけで,好ましいとは言えません。しかし,その子どもは,「○○は,風邪で休みだよ」と答えてくれたのです。それで,「こんな質問でも,内容を読み取ることができて,えらかったね」とほめました。その子どもはとても嬉しそうでした。

ソーシャルスキルを向上させることのできるような個別的な場面は,学校生活にあふれています。それをいちいち取り上げて指導するようなタイミングがあるとは限りません。でも,時間に余裕のあるときや,どうしても必要と感じたときには,言葉をかけてあげてほしいと思います。