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赤木かん子の読書Q&A

調べ学習
Q20

どうやって調べさせたらいいのでしょうか?(その18)

〈中級編〉—子どもたちに「要約」の意味を伝える—

A

さあ,前回は「要約」ということばを辞書で調べよう,というところまでやりました。

たいていの辞書には「要約」というのは「要点をまとめること」みたいに書いてあるでしょう。だけどこれだけでは……子どもたちにとっては,意味を説明していることにはならない,ということは経験豊富な先生方ならすぐお分かりいただけることでしょう。大人はね,これだけでも確かにできるんです。でも子どもたちは,まず「要点」がわかりません。で,また「要点」を辞書で引いて……とやるわけですが,「要点」は「大事なところ」,などと説明したところで,やっぱり子どもたちには理解できないでしょう。

それはなぜかというと,子どもたちにとっては,仮に練習として調べたことば(たとえば「地球温暖化」とかね……)を,自分自身はちっとも「調べたい」と思っていない,「知りたい」と思っていないからなんです。だからどこが「大事」なのかわからない。だって自分にとっては「大事」じゃないんだもの。「要約」をするっていうことは,もともと「なんでそれを調べているのか」がわからないと成立しないものなんです。そういうことを考えると,子どもたちの反応っていうのはものすごく本質的で真っ当なんですね。正しいんです。

だからその皮膚感覚を大事にしてやると,私たち大人も,「おお,まっすぐな道というのはこの道なのか!」ってことに気がつける……子どもたちに導かれて・・・・・・。「大事って……何が大事なの?」という疑問って,本質的なんですよ。

だからそこを大人式に,「だって,今は練習なんだから,そんなことどうでもいいじゃない?」ってやっちゃうと,子どもたちはわかんなくなっちゃうんです。そんなふうに,たいていの子どもたちは思考が飛べないから……そうして飛べないからこそ,本質からはずれないで歩くんです。

そもそも教師の仕事っていうのは,そういう子どもの本質に合うようにいろんな物事を分析して,わかるようにしてやることじゃないのかなって思うんですよね。そうして,こうやって分析していくのはとっても知的な楽しい遊びですよね。というわけで,もうわかってしまっている大人思考をさらに分解していくと,「必要」っていうのは「自分にとって?」と「書いている本人にとって?」ということの二つに分けることができて,そうしてたぶんこれ以上は分けられない……。だから子どもたちには,自分が「このことを調べているつもりになって」 ,まず「自分にとって」必要だと思うことを,まとめて短くしてみましょう,といってみてください。ここがまず第一歩です。

ただ「要点をまとめる」んですよ,っていうんじゃなくて,じゃあ「要点」っていうのはもっと小さくするとどうなるかな,と考えて,「あなたにとって」と「著者にとって」を分けるんです。

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