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赤木かん子の読書Q&A

調べ学習
Q27

どうやって調べさせたらいいのでしょうか?(その25)

〈上級編〉—“戦略をたてる”ことの難しさについて—

A

“戦略をたてる”は,具体的な例があるほうがわかりやすいので,『サルが木から落ちる』(さ・え・ら書房)という本をご紹介しましょう。

その本が手元にないので,細かいところは違っているかもしれませんが,わたしが説明したいところはそれでも通じると思います。

これは,ある熱帯林で,樹上生活をするサルのグループのなかに,ときどき木から落ちるものがいる,ということに気がついた野生動物学者夫妻のレポートです。

まず,“木登りは得意なサルなのに,なんで木から落ちるのだろう?”

これが最初の「疑問というか,謎! テーマ」です。

これを解くために,この二人はサルを観察しました。

「データを集める」ですね。

その結果,二人が出した仮説は,“食べている木の葉っぱに毒があって,あたったのではないだろうか?”というものでした。

その次にくるのは,それを「証明する!」ことです。

では証明するためにはどうしたらいいかを考えることになりますが,これが“戦略をたてる”になります。

この二人が考えたやり方は,朝,サルが起きて,えさを食べ始めてから寝るまで,どのサルが何をどのくらい食べたのか,ということを追跡調査する,というものでした。

ひえええええ~~~~~,です。

だって,向こうは木の上! こっちは地面の上だよ~~~?

というわけで,その結果どうなったかは本を読んでいただきたいのですが,調べる,研究する,というのは,だいたいこういう手順でやるわけです。調べた結果,仮説が違っていたら,また新たな仮説をたてる…という繰り返しなのです。

“戦略をたてる”が小学生にとって難しいのは,この“戦略をたてる”自体がその研究者のオリジナリティそのものだからです。ここは全体指導では無理です。もちろん,小学校のカリキュラムの中ででもできないことはありませんが,図書館教育を受けている先生は少ないので難しいだろうと思います。ここまでくると,司書でもかなり経験がないと難しいですね。

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