赤木かん子の読書Q&A

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![]() 4は自然科学。48で動物。 483が無脊椎動物 484が軟体動物 485が節足動物 486が昆虫 487が脊椎動物 488が鳥類 489が哺乳動物です。 でも,これはあくまでも図書館での分類方法で,生物学の分類方法ではありません。日本十進分類法は今から90年近く前に作られたもの,もともと学術的というよりは実用的な体系なのです。それぞれの代表選手を思い浮かべると分かりやすいと思います。 そうして分類は“必要なところまでやって,必要なくなったらやめる”ものなので,例えば“鳥類”はここでやめる。なぜかというと,その次の段階は,モズとかスズメに分れているからで,小学校でそこまでの分類はいらないですよね? でも”脊椎動物”はその次の段階(お察しの通り第四次区分といいます)まで分類しないと“爬虫類”“両生類”“魚類”がでてこないので,小学校ではまずいでしょう。そのときに,数字が四つ並ぶとわかりにくくなるので三つ目で点(.)を打ちます。つまり爬虫類は,4(自然科学)8(の中の動物)7(の中の脊椎動物).9(の中の爬虫類)となって,489.9(よんはちきゅうてんきゅう,と読みます)ということになるんです。 これ以外にも,小学校では昆虫と哺乳動物は4桁までとったほうがすっきりうまくいきます。けれども,昆虫にもダンゴムシにも恐竜にも興味がなくなる中学校では,自然科学でも動物は3桁,他は2桁でいいのです。 こうやってその場所に必要な分類を考えることを“分類体系をつくる”といい,これが,他の人にはできない(と言い切ってしまいますが)司書の仕事なのです。もちろん分類体系自体は誰でも作れますが,知識と訓練なしで使えるものを作ることはほぼ不可能です。正直言って“動物が出てくる本”という分類を見たときは絶句しました(『シートン動物記』と『ルドルフとイッパイアッテナ』が一緒に入ってた! そりゃ猫が主人公だけどさ!)。“わくわくどきどきする本”という分類も。そんな個人的なこと,どうやって決めるの! 毎月変わりのブックフェアならいいですけど,常設展示で?
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