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赤木かん子の読書Q&A

学校図書館(理論編)
Q18
 やってはいけない分類を教えてください。(その2)
A
 今回は「学校図書館でやってはいけない分類」の追加です!

 「生き物」を「すむ場所」で分類するのもやってはいけません。なぜかというと,生き物によっては海水でも淡水でも生きているし,決まった場所・・・・・・たとえば「水の中の生き物」とか「川岸に住む生き物」みたいな分け方は,そこにいる生き物の数が膨大すぎて,分類したことにはならないので,すぐに行き詰まってしまうのです。もし行き詰まらないのなら,それはあまりにも本が少なすぎるか,やっている人に,「これは変だ」と感じるだけのブックセンスがないかのどちらかです。センスがなければ,みっともない服を着ていても,みっともないと思いません。

 デザインの世界で一番センスがいいのは,他の人がやらない悪趣味ギリギリの線で止めることで,そういったデザインを考える人が次の世代のデザイナーになっていくわけですが,本の世界も,センスがなければ,「この並べ方は変だ」「みっともない」「本質的じゃない」「わけがわからない」「これではまずい」という思考にはならないのです。

 私も,どうしても「生き物」に2段の棚しか使えない学校があった時は「変温動物」と「恒温動物」に分けましたが,それぞれの本のシールはそのまま,カエルはカエルを貼りました。鳥は鳥,サルはサルですよ。もしどうしても,「昆虫」は「昆虫」でしか分けたくない(でもそんなのは司書じゃないけどね)のならば,蝶々とか,カブトムシのシールではなく,昆虫図鑑のシールをはってください。理由は・・・・・・言わなくても,わかるよね?

 こういうことを,大人に,特に分類に興味がない女性に実行してもらうのはホネですが,これを「めんどうくさい」と言っていたら,それは職務怠慢ですよ?子どもたちの,特に理系の子たちと図書館にとっては,「ちゃんと分類がなされているかどうか」は本当に死活問題なんです。お願いです。「生き物」を,「すむ場所」では分けないでください。その分類は分類体系を壊すんです。

 あと,ネット上から適当にマークを探してきて分類シールに使うのは,安くていいと思いがちですが(タダだからね),なんの意味もありません。やってみるとわかりますが,そういうマーク,イラストって,「私を見ないで」というカンジで,まったく人を惹きつけないんです。「私を見て!私は歴史の本だよ!」というふうにはならない。やるだけ無駄です。

 だから,手間暇かけてお金をかけて(まだもとはとれてません),イラスト分類シールを作ったんです。あれは,シール代だけではなく,私の「分類体系の考え方」(十進分類をちょこっと手直ししただけだけどね)そのものの代金が入っているんです。日本人はそういうかたちのないものに,お金を払うのがとても下手です。でも,本来なら「考え方」そのものに,著作権があるんです。「学校で使う分には,著作権を免除する」という粋なはからいが,なんか,間違った方向で理解されているような気がするのは,ちょっと悲しいです。
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