生活科の基礎・基本Q&A
「科学的な見方・考え方の基礎を養う」には,どうすればいいでしょう。

児童の気付きの芽を豊かに引き出し,伸ばしていくことです。
児童の遊びの中には,多くの気付きのきっかけがあります。
「比べる」こと一つをとっても,作った物の数や長さ,分ける分量などをどうやったら比べられるか,直接比べたり基準をそろえて比べたりする姿を見ることがあります。
自分が作った車と友達の作った車の,斜面を転がる速さを比べたり,斜面から先にどれだけ進むか比べたりする姿を見ることもあります。
このように,試したり工夫したりしながら,数理的な思考をしたり,仕組みを改善したりすることで,児童の中に「科学的な見方・考え方」の基礎が芽生えている様子を観察することができます。
学習環境や活動の場の設定を工夫して,児童の気付きの芽を豊かに引き出し,伸ばしていくよう心がけましょう。

諸感覚を使って気付きを引き出すことが,生活科におけるポイントです。
B君は,どんぐりごまのコーナーを担当することになりました。材料を提供し,お客さんにこまを作ってもらうのです。
B君は,校庭や家の近くから,たくさんどんぐりを集めました。
「へえ,いろんなどんぐりがあるんだ。どれが回るのかな」と,家で試しました。
何度も何度も試して,自信作を作りました。班のみんなと勝負しましたが,だれもB君にかないません。
じつは,B君のどんぐりは,校長先生に教えられた場所でとった,丸くてずんぐりしたひみつのどんぐりだったのです。
班のみんなは,「B君の横綱ごまに挑戦しよう!」のコーナーを作りました。
もちろん,何度も何度も挑戦する人が増え,大盛況でした。
このように,「比べる」「繰り返す」「試す」などの活動を通して,児童は,共通点や相違点に気付いたり,疑問を感じたり,自然の中のきまりに気付いたりします。
これが「科学的な見方・考え方」の基礎になります。
諸感覚を使って気付きを引き出すことが,生活科におけるポイントだと押さえておきましょう。