表記に関するもの
Q2. 促音・拗音を表す小書きの仮名は、行頭に書いてもよいか。

 原稿用紙などのます目に文を書く場合、句読点が行末にきて、下にます目がない場合は、次行の行頭でなく、文字と同じます目の中の右下方か、または欄外に書くことになっています。しかし、促音や拗音を表すための小さく書くべき仮名(っ・ゃ・ゅ・ょ)については、行頭に一ます使って書いているのが伝統的な習慣であって、これは印刷物でも同様です。

 しかし、小学校の教科書を見ると、行頭に促音、拗音を表す小書きの仮名はありません。これは教育指導上の配慮から、読みにくさを避けるための措置といえます。特に「きゃ」などの拗音は、仮名二字を使って書き表しますが、これは一まとめの一つの音節ですから、その二字が行をまたぐことによって、それぞれ独立した音節として読まれては不都合だからです。(中学校教科書においても同様。)

 教科書は上のようなやり方ですが、原稿用紙に書くときは、一文字一ますの原則どおり小書きの仮名を行頭においても差し支えありません。ただし、読み手が読みやすいようにという配慮から、句読点と同様に欄外に書いても、もちろんかまいません。

 一般の印刷物、特に児童書などでは、教科書と同じく行頭にこないように注意がはらわれていることもありますが、その他の書籍・印刷物・新聞などでは、行頭にも、促音・拗音表記の小書きの仮名が見られます。

 それでは、原稿用紙で行頭にきている小書きの仮名を、印刷のとき、どのようにして前行の行末にもってくるのでしょうか。教科書を開いて、「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」などが行末にきている行の文字数と次行の文字数を数えてみると、句読点も一文字分に数え、前の行が一文字分多い箇所があるはずです。これは印刷上の技術で、句読点の一ます分を半ます分詰めたりして、一字分よけいにとっているわけです。したがって、教科書の本文どおりに原稿用紙に書き写そうとするといくつか無理な点が生じてきます。右に並べた一行の字数の不ぞろいもその一つです。