表記に関するもの
Q4. 正しい「 」かぎかっこの使い方は。

 原稿用紙での使い方は、基本的には教科書での表記と同じであるとお考えいただいてかまいません。子供たちが文章を書く場合にはどうするのかという問い合わせが、編集部にはよくあります。その場合、無用の混乱が起こらないように、教科書の形式を参考にしてくださるようにお願いしています。以下箇条書きにして、ご説明いたします。

@会話文が2行以上にわたる場合、2行目以降はどこから書き始めるのか。
 ご存じのように、会話文は普通「 」でくくられています。会話文を前後の地の文と区別し、わかりやすくするためです。読解・鑑賞上、会話のもつ独自の重要さがあるため、読みやすくしておく必要があるからです。さて、会話文の中の2行目以降はどこから書き始めるかですが、小社の小学校国語の教科書では2行目以降は行頭を一字下げで表記します(資料1)。

 そうすることで、会話文と地の文との区別は視覚的にもはっきりします。小学校段階では、会話文を読んだり書いたりする基礎的な学習が大切ですから、なるべく明確な形になるようにしています。2行目以降を一字下げで表記する組み方は、実は国定教科書のときから行われていました。長い間の慣行でもあったといえます。ただし、「思った」「考えた」というように実際に発話していない場合、小社の教科書では2行目以降は行頭から始まっています。

資料1

 しかし、一般書では、2行目以降は行頭から始まります。この形ですと、会話文が長かったり、会話文と地の文が交互に何度も繰り返されたりした場合、それぞれの区別がつけにくくなるおそれがあります。しかし、大人を対象とする読み物の場合、混乱は少なかろうということで、そうしているものと考えられます。だんだん大人の読み物の世界に触れる機会の多くなる中学生の時期に、大人の読み物の世界に慣れるということを考えて、小社の中学校国語の教科書では、一字下げの形はとっていません。

A 段落の冒頭に「 が出てきた場合、どこから書き始めるのか。
 段落の初めは一字下げるというのが文章構成の決まりですが、小社の教科書では、会話文の「 に限って、段落の冒頭に出てきた場合、一字下げにはしない形をとっています(資料2)。これは一字分下げると、一字半分下がってしまうことになり、地の文との段差が大きくなって読みにくくなってしまうという理由からです。なお、会話文以外の、段落冒頭の「 については、一字下げになっています。(資料3)

資料2、3