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わくわくどきどき社会科って楽しいな
・おいしく安全に、自分の力で食べられるために







「ほのぼの茶碗」を手にする秋元さん。一見、その名の通り「ほのぼの」した風合いの茶碗ですが……。

 ひとしきり建物を案内していただいてから席に着くと、まずお茶が。
「きっと、この茶碗にも何か工夫が……。」と思いながら手を伸ばしてみると、はたして秋元さんから期待を裏切らない言葉が。
「この茶碗ひとつに、わたしたちのユニバーサルデザインへの発想が集約されているんですよ。」

 手に取ってみると、手のひら全体にしっとりとなじむ感じがします。一口すすってみて驚いたのは、熱々のお茶が入っているというのに、茶碗を持つ手にまったく熱さを感じないことでした。茶碗全体が肉厚にできているからかな、とも考えてみるのですが、ちっとも重くない。いや、むしろ軽い。

 実はこの茶碗、下の写真のように二重構造になっているのです。

「ほのぼの茶碗」の秘密を「解剖」していただきました。

 下部が中空になっているので、茶碗を握りしめても熱を感じません。指先の力や動きが衰えてしまい、しっかり握らないと茶碗がうまく持てないのだが、そうすると熱が直接手のひらに伝わってしまう。だから、熱いお茶を飲みたくても飲めない……。そうした人たちの悩みを、この茶碗は解消してくれるのです。しかも、この中空の構造には、保冷・保温の効果もあるそうです。

 さらに重要なのは、内装の部分につけられた傾斜の角度です。通常の茶碗の場合、中身が残り少なくなると、茶碗を高く持ち上げ、頭をうしろに反らして飲むことになります。でも、飲み込む力が弱くなってしまった人たちの場合、このときに「むせ」たり、「誤嚥(ごえん)」(飲みものや食べものが、気管や肺に詰まってしまうこと)が起きたりしてしまうことがあるそうです。ところが、この茶碗の場合、内部の傾斜のおかげで、無理な体勢をとらなくても中身がうまく口に運ばれていきます。「誤嚥」は、ときには死に直結する危険な事態が生じるそうです。そのことを考えると、この茶碗がもたらしてくれる「安心感」の大きさには、はかりしれないものがあるように感じました。内容量は110ml。これも、必要な水分摂取量などを計算しつくしたうえでつくられています。

 さまざまな条件に置かれている人たちの視点に立ち、「食べる」「飲む」という行為を、一から見つめ直す。「みんなにとって、より使いやすく」をめざして研究と実験を重ねていく。そうした姿勢のもとで何度も試行錯誤を繰り返し、ようやく完成した製品に違いありません。それでいて、今こうして目の前にある茶碗は、肩ひじの張らない愛らしい一品になっている。しかも、実際に使ってみるとその「違い」は歴然としています。作り手のこまやかな心遣いがすみずみから伝わってきて、ほのぼのとした気持ちにさせられる。さらに、障害のある人には、「自分の力で」「おいしく」「安心して」飲むことを可能にする、かけがえのない一品となることでしょう。こうした発想こそがユバーサルデザインの本質であり、秋元さんのものづくりの原点なのだということを実感しました。

「ほのぼの茶碗」シリーズにはマッグカップも用意されています。

 内容量は190mlとたっぷりしたつくりです。大きな取っ手で、しっかりと握れるようになっています。さらにもう片方の手で、手のひら全体で包むように持つことができます。(それでも熱くはない!)

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