「ユニバーサルデザインの発信基地」は、エコロジーへのアイディアにも満ちあふれていました。
上越新幹線燕三条の駅から、収穫が終わったばかりの田が広がる平野を視界に、車に揺られること約10分。古くからの金属加工工場が建ち並ぶ一角に、(株)コラボのひときわ目を引く新しい社屋を見つけました。まず目にとまったのは、正面脇に1台、屋上に2台設置された風力発電機。同じく屋上に置かれている太陽光発電機です。工業生産の現場では、生産効率だけではなく、自然環境や働く人々の健康・安全面への配慮が求められていることを、教科書作りを通して自分自身も学んできました。そうした今日的課題に対しても、さまざまなアイディアに満ちていそうなことを予感させます。
室内に足を踏み入れて、まず思ったのは「明るい」ということです。取材当日はあいにく雨だったのですが、それでも前後の壁いっぱいに広がる大きな窓ガラスが、むだなく陽光を取り入れています。お出迎えいただいた秋元社長も、この新しい社屋についてのお話から始めてくださいました。
「新しい建物につきものの匂いがしないでしょう?」
たしかに、この7月に完成したばかりだというのに、鼻を刺激する塗料などの匂いがまったくしません。室内の換気をよくするために、中心部を吹き抜けにしたり、天井に傾斜をつけたりするなど、さまざまな工夫を凝らしているそうです。アレルギーをもつ人でも、ここではまったく問題が起きないそうです。この室内の構造は、空調の効率を高めるためにも役立っています。さらに、天井の傾斜には、陽光を反射して室内に広く行き渡らせる効果もあります。曇りの日でも、電気照明の必要がないほどの明るさだそうです。
この日はあいにくの雨。それでも、オフィスは明るくすがすがしい雰囲気に満ちていました。
もちろん、ユニバーサルデザインの発想も建物のすみずみに行き渡っています。
入り口に設置された泥よけには、車いすでいらっしゃるお客さんのために、脱輪しない工夫が凝らされています。トイレなどの設備や照明のスイッチなどにも、バリアフリーへの配慮が行き届いていました。
「玄関の泥よけ」。脱輪しないように、細かく編み目が張られています。
また、建物には地元の素材が効果的に活用されています。例えば、オフィスの床下には、同じ新潟の佐渡(さど)で生産されている竹炭が敷き詰められています。この竹炭には空気を浄化する働きがあるそうで、換気のよい室内構造ともあいまって効果をあげています。
この新しい社屋そのものが、「『素材のもつ特色を生かし』『創意工夫をもって』『人に優しく・環境に優しく』を実現する」という、秋元さんたちの「ものづくり」の理念を体現しているようでした。











