マンスリー・メッセージ

February 2010

タイトル『大きな夢を』

岩隈久志(プロ野球選手)

 東北楽天ゴールデンイーグルスの投手として大活躍されている岩隈さんは、定期的に児童福祉施設などを訪問し、子どもたちと野球を通じて交流されています。そんな岩隈さんに子どもたちへの思いをお聞きしました。

―さまざまな施設を訪問したり、チャリティオークションを開催されたり、子どもたちのための活動を精力的に行われています。こういったことを始めたきっかけは何だったのでしょうか。


 7年前、当時チームメイトだった門倉健投手に誘われて、施設を訪問したのが最初です。正直なところ、初めは自分から進んでというわけではなかったんです。子どもたちとうまく接することができるか不安でしたから。でも実際に行ってみると、子どもたちは元気いっぱいの笑顔で僕たちを迎えてくれ、そんな気持ちはすぐに吹き飛びました。来てよかったな、と心から思いましたよ。

 しかし、そんななか、ある少年たちの姿がふと目にとまりました。彼らは、好きな野球をしているのにもかかわらず、なぜか元気がないんです。寂しい眼をしている―そんなふうに僕は感じました。
 そして、その後も少年たちの眼が忘れられず、「自分が子どもたちにできることは何だろうか」と、真剣に考えはじめました。自分ができることは限られているけれど、子どもたちに少しでもエールを送ることができないものかと。それから、子どもたちのための活動を積極的に始めました。


―忙しいなか、そういった活動を続けていくのは大変でしょう。


 そうですね。でも、僕は子どもたちに大きな夢をもってほしいと強く思っていて、そのためにエールを送り続けたい。
 自分は子どもの頃からとにかく野球が大好きで、周りにも支えられながら夢を追い続けてきました。挫折もあり、つらい思いも随分しましたが、「自分が好きなものは何か」と真剣に考えたり、何かに夢中になったりするというのは、何にも代えがたい経験です。
 子どもたちの野球を見ていると、一生懸命にボールを追いかけたり、真剣なまなざしでプレーしたり。それは自分が子どもだった頃の姿と重なります。だから、大きな夢を追いかけて成長していってほしいし、応援していきたいなと強く思います。

 あと、子どもたちと接していると、自分も元気になれるんですよ。「岩隈さん、応援しています!」と笑顔で言われると、「ようし、がんばるぞ」とパワーが出ますし、「またこの場所に来て、この子たちにいい報告をしたいな」と励みにもなります。だから続けられているんでしょうね。


―今後は、どのように活動を続けていきたいですか。


 変わらずに続けたいですね。そして、そのためにも投手として最前線で活躍していかなければならないと思っています。投手としてがんばることと、球場の外での活動をがんばることは表裏一体だと思うからです。「投手としていい成績が残せなかったから、子どもたちのためにがんばろう」というわけにはいきません。投手として結果を出してこそ、子どもたちにエールが送ることができると思っていて、最近ではそれが僕の野球への原動力の一つになっています。
 「大きな夢をもってほしい」――その思いを胸に、今日も僕はボールを投げ続けます。

岩隈久志
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