2005年 冬

各界を代表する識者が「国語」の魅力を春夏秋冬の彩りにあわせ語り合う「シーズン・メッセージ」。冬号は、国際的視野で日本の古代文学と文化、精神史を探求する京都市立芸術大学長の中西 進さん、ラジオ・テレビのご出演のほか、国立国語研究所「外来語」委員会など公的機関の委員としてもご活躍の作家の神津 カンナさん、現在、中央教育審議会国語専門部会の主査としてご活躍の国立国語研究所長の甲斐 睦朗さんの鼎談です。
教育界では今、「国語の力」が改めて問われています。今求められている国語の力とは何かを三人が熱く語ります。さあ、みなさんもいっしょに国語の森をのぞいてみませんか。
【Photo by Hiroshi Nagaoka】

神津:
私の友人が、この4月から大学で英語を教え始めたのですが、まず、学生に辞書は何を使っているかと聞いたら、シャープです、カシオです、セイコーですと手を挙げたというのです。彼女は一瞬、彼らが何を言っているのかわからなかった。結局、みんな電子辞書を使っていて、そのメーカーの名前を言っていたんですね。
彼女はそれ以来、クラスの中では普通の辞書を使わせているのですが、笑うほど辞書の引き方が下手なんだそうです。電子辞書はピンポイントで探すでしょう。当たりをつけてものを調べるという感覚が、彼らから失われているのではないかということを言っていました。











