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アクティブ・ラーニングQ&A

冨山 哲也

十文字学園女子大学教授

今,関心が高まる「アクティブ・ラーニング」。先生方からの疑問にお答えします。

冨山哲也 (とみやま・てつや)

十文字学園女子大学人間生活学部児童教育学科教授。東京都公立中学校教員,あきる野市教育委員会,多摩教育事務所,東京都教育庁指導部指導主事を経て,平成16年10月から文部科学省教科調査官(国語),国立教育政策研究所教育課程調査官・学力調査官。平成20年版学習指導要領の作成,全国学力・学習状況調査の問題作成・分析等に携わる。平成27年4月から現職。第1期<絵本専門士>。

第10回 新学習指導要領実施までの移行期の指導(1)

2017.06.28

Q:新しい学習指導要領の実施までの移行期に,現行の教科書をどのように活用して授業改善につなげたらよいでしょうか。

A:課題解決的な言語活動を取り入れた授業を継続しながら,「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の観点で指導の改善を進めることが大切です。

学習指導要領改訂の方向性の整理

文部科学省は,新しい学習指導要領を発表しました。アクティブ・ラーニングについては,「主体的・対話的で深い学びの実現を図る」という文言で,各教科等の指導の重点として共通に位置づけられました。また,これに先立って示された「幼稚園教育要領,小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント」の中では,

小・中学校においては,これまでと全く異なる指導方法を導入しなければならないと浮足立つ必要はなく,これまでの教育実践の蓄積を若手教員にもしっかり引き継ぎつつ,授業を工夫・改善する必要(がある)。

と述べています。そのうえで,国語科を中心にした言語能力の育成については,

  • 発達の段階に応じた,語彙の確実な習得,意見と根拠,具体と抽象を押さえて考えるなど情報を正確に理解し適切に表現する力の育成(小中:国語)
  • 学習の基盤としての各教科等における言語活動(実験レポートの作成,立場や根拠を明確にして議論することなど)の充実(小中:総則,各教科等)

と示しています。

これらのことを踏まえると,課題解決的な言語活動を重視した現在の授業を継続しながら,活動の質的な充実を図ることが大事であると考えられます。そのために,アクティブ・ラーニングの視点を次のように用いてはどうでしょうか。

〇主体的な学び

生徒が学習の目的や意義,学習の進め方について自覚的になっているか。

〇対話的な学び

生徒の話し合いが形式的に終わることなく,本気で考えを伝え合っているか。

〇深い学び

学習の中で言葉についての気づきがあり,指導事項に基づいた言語の能力が確実に身についているか。