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第1回 女川の中学生が紡いだ五・七・五

空を見上げてみよう

2018年9月7日 更新

山中 勉 宇宙航空エンジニア

山中勉さんが各地で行っている出前授業の様子や、生徒が紡いだ五・七・五の言葉をご紹介します。

女川の中学生が紡いだ五・七・五

東日本大震災直後の2011年5月から現在まで、毎年春と秋に被災地の宮城県女川町を訪れ、中学生たちに五・七・五の言葉を紡いでもらっている山中さん。これまでに女川の中学生に書いてもらった作品を紹介するとともに、出前授業に込めた思いなどを山中さんに語ってもらいました。

女川の中学生がこれまでに紡いだ100句は、PDFでご覧いただけます。

女川の中学生が紡いだ五・七・五の言葉(154KB)

私はこの18年間、世界中から輝く星として見える国際宇宙ステーション(ISS)に届ける作品作りの発案、企画、推進に従事してきました。アフリカのウガンダ共和国や、国際宇宙大学を含む、国内外の小・中・高・大・盲・社会人学校などに出前授業に出向き、星(ISS)へ打ち上げる言葉を紡いでもらっています。

五・七・五という形で、中学生に星(ISS)に届ける言葉を紡いでもらう活動を始めたのは2010年ごろからです。2011年3月11日の東日本大震災の後、女川の中学校が広く支援を求めているという新聞記事を読み、女川の中学生にも五・七・五の言葉を紡いでもらうことで、お役にたてないかと考えました。

女川の中学校で初めて出前授業をしたのは、震災から2か月経った5月25日です。1~3年生の計6学級で授業をしました。全員集会では、「書きたいことがあれば何を書いてもいい。もし、書きたくないなら書かなくてもいい」と話しました。すると、授業では多くの生徒が1句以上の作品を書いてくれました。素直な気持ちを言葉にしてくれました。

それから毎年春と秋に女川を訪れ、出前授業をさせていただいています。2015年には女川の駅が再開しました。復興を喜ぶ歌が詠まれました。女川の時計が再び進みだしたように感じました。

女川の中学生の作品は私たちに何を教えてくれているのでしょう?星に届けた言葉は5000を超えているでしょう。ひとつ一つの作品が唯一無二で、かけがえのないものです。みんなで考え学んでいくことが大切に思えます。

「みんなを元気にしてくれるものを見つけて詠もう、そして辛い状況を乗り越えていこう…悲しいときは悲しい気持ちを詠んでもいいんじゃない、素直な気持ちを受けとめてくれる仲間がいるから…星はなんでも受けとめてくれるよ…」そんな声が僕には聞こえてきます。みなさんはどうですか?

次回は、佐賀県武雄市の中学校で行われた出前授業の様子をお伝えします。

山中勉(やまなか・つとむ)

1958年、東京都生まれ。宇宙航空システムエンジニア。(株)IHIエアロスペースにて宇宙航空事業や国際宇宙ステーション(ISS)の一般利用を発案し実証。宇宙航空研究開発機構(JAXA)主幹研究員、日本宇宙フォーラム主任研究員を経て、2013年より(株)IHIで社会貢献活動としてISSを利用した学校授業を共創している。
東日本大震災では宮城県女川町や各地の学校での出前授業を行い、五・七・五の言葉などの作品をISSに届ける活動を続けている。

女川の中学生への返句を募集します!

女川の中学生がこれまでに紡いだ100句の中から、印象に残った句を選び、七・七の下の句をつけてみませんか?
受け付けはメールで行います。件名は「空を見上げて」とし、本文に100句の中から選んだ句と、七・七の下の句、メッセージ(任意)、必要事項(ご住所、お名前(ふりがな)、年齢、ご職業・学年)を記載し、下記アドレスにお送りください。お送りいただいた句は、随時このウェブマガジンで紹介します。句は匿名で掲載いたします。

光村図書出版 第三編集部 広報課
E-Mail:koho@mitsumura-tosho.co.jp

女川の中学生がこれまでに紡いだ100句は、PDFでご覧いただけます。

女川の中学生が紡いだ五・七・五の言葉(154KB)

※ 応募受付は締め切りました。 たくさんのご応募ありがとうございました。

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