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教科書の言葉 Q&A 第6回

教科書の言葉 Q&A

2015年8月4日 更新

教科書編集部 光村図書出版

教科書にまつわる言葉へのさまざまな疑問について、編集部がお答えします。

第6回 小学校では、どれぐらい漢字を勉強するの?

Q:小学校では、学年別に習う漢字が決まっているそうですが、
6年生までに、何字書けるようになればいいのですか。

平成22年に改訂された「常用漢字表」の本表には、2,136字が挙げられています。このうち小学校で学習するのは1,006字で、「小学校学習指導要領」の「第2章 第1節 国語」別表に「学年別漢字配当表」として示されています。
「学年別漢字配当表」は、文字どおり、その学年で学習する漢字の意味で、第1学年80字、第2学年160字、第3学年200字、第4学年200字、第5学年185字、第6学年181字の、合計1,006字が示されています。

では、小学校の子どもたちが、これらの漢字をどのように学習するかというと、やはり「小学校学習指導要領」の国語の節にある「各学年の目標及び内容」の中に、次のように記されています。

  • 第1学年においては、別表の学年別漢字配当表(以下「学年別配当漢字表」という。)の第1学年に配当されている漢字を読み、漸次書き、文や文章の中で使うこと。
  • 第2学年においては、学年別漢字配当表の第2学年までに配当されている漢字を読むこと。また、第1学年に配当されている漢字を書き、文や文章の中で使うとともに、第2学年に配当されている漢字を漸次書き、文や文章の中で使うこと。

(「第1学年及び第2学年」の内容にある「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」中の「文字に関する事項」から)

「第3学年及び第4学年」「第5学年及び第6学年」についても、同様の記述があります。つまり、「その学年では該当する学年の配当漢字を読むことができるように」なること、「一つ上の学年と合わせた2年間でその漢字を書き、文や文章の中で使うことができるように」なることと言い換えることができます。1年生の配当漢字は2年生終了までに、3年生の配当漢字は4年生終了までに、その漢字を書き、文や文章の中で使えるようにするということです。

光村図書平成27年度版小学校『国語』では、このような学習の実態を踏まえ、2年以上の各学年に「漢字の広場」という教材を、1~6(2年のみ1~5)に分けて位置づけました。例えば、3年生では「2年生で習った漢字」を、4年生では「3年生で習った漢字」を取り上げ、前の学年で習った漢字を確かめながら書く学習を、年間6か所に位置づけています。

また、小学校6年生の漢字は、中学校にまたがって書けるようになることを配慮しなくてはなりません。「中学校学習指導要領」を見ると、「第2学年」の「各学年の目標及び内容」に「学年別漢字配当表に示されている漢字を書き、文や文章の中で使うこと。」とあり、中学校2年生終了までに小学校で学習した漢字すべてが書けるようになることが示されています。

光村図書平成28年度版中学校『国語』では、1年生の教科書の随所に「漢字を確認しよう」という教材を用意し、その中に、小学校6年生で学習した漢字を書く場を設けています。合わせて、1年生と2年生の巻末に、やはり小学校6年生で学習した漢字を取り上げた「漢字の練習」を位置づけ、繰り返し学習することで定着につながるよう工夫しています。

画像、教科書紙面
小学校『国語』3年上P39「漢字の広場1」(左)と中学校『国語』1年P257「漢字の練習」(右)

次回は、「つくる」の漢字表記についてお答えします。

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