みつむら web magazine

教科書の言葉 Q&A 第11回

教科書の言葉 Q&A

2015年12月9日 更新

教科書編集部 光村図書出版

教科書にまつわる言葉へのさまざまな疑問について、編集部がお答えします。

第11回 「木の葉」は「きのは」? それとも「このは」?

Q:「木の葉」は「きのは」と読むのが正しいのですか。「このは」と読むのが正しいのですか。

訓読みの「木」と結び付いてできた複合語や、間に助詞の「の」を介している連語の中には、「木」を「き」と読むものと「こ」と読むものとがあります。読み方が決まっているのは、以下のような語です。

◇「き」と読む例
・木戸 ・木登り ・木場 ・木肌 ・木彫り ・木の香  ・木の根

◇「こ」と読む例
・木陰 ・木立

ただし、ご質問にあった「木の葉」や「木の実」「木の芽」などのように、「き」と読んでも「こ」と読んでもいいものがあります。

「木の葉」について辞典類を見ると、見出し語として「このは」でしか取り上げていないものが多くあります。これは「このは」が1語としての意識が強いのに対し、「き/の/は」は3語としての分析意識があるため、国語辞典の見出し語としてはあげにくい事情があるためと考えられます。辞典類が「きのは」という読み方を否定しているわけではありません。

「きのは」「このは」は、どちらの読み方でもいいわけですが、文脈によって、1語意識が強い場合は「このは」、3語としての分析意識が強い場合は「き/の/は」と読まれることが多いようです。
例えば「ハス(蓮)の葉」(はす/の/は)などと対比して「木の葉」が出てくるような場合は、「このは」ではなく、「きのは」と読むのが普通です。つまり、「木の葉」「木の実」「木の芽」などの「の」に助詞の意識が強い場合には、「き」と読むことが多いと考えてください。

次回は、「一日」の読み方についてお答えします。

関連記事

記事を探す

カテゴリ別

学校区分

教科別

対象

特集