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エグゼクティブは
美術館に集う

奥村 高明

聖徳大学教授

忙しいNYのビジネスマンがなぜ美術館へ通うのか――この謎をひも解く新刊書籍。

2015年4月下旬発行の『エグゼクティブは美術館に集う』。 担当編集者がその魅力をご紹介します。

開館前の朝8時半,誰もいないだろうと思っていたのですが,

美術館にいるのは私たちだけではありません。

高級なスーツを着た明らかにエグゼクティブと思われる

若いビジネスマンがマティスの絵の前で美術鑑賞をしています。

不思議に思い,案内してくれた学芸員に尋ねると

「ビジネスマンのための有料のギャラリー・トーク」だそうです。

ニューヨークは1分1秒を惜しむビジネスの戦場だといいます。

そんな忙しい場所で,なぜ彼らは美術鑑賞をするのでしょう。

それは優雅なエグゼクティブとしての教養なのでしょうか?

(本書「はじめに」より抜粋)

中学生といっしょに美術鑑賞をする,奥村先生。

『エグゼクティブは美術館に集う』の著者,奥村高明先生(聖徳大学教授)は読者にこう問いかけ,さまざまな例を挙げながらその答えに迫ります。たとえば,金融機関などのスタッフが留学先としてアートスクールへ行くという近年の企業の傾向,知能と創造性と学業成績の三つの関係,創造性を鍛えることで学力が上がった事例,サバイバルの可能性を高めるのは創造性……などなど。

美術鑑賞の重要性はどこにあるのか。奥村先生は,文部科学省教育課程調査官を務められた経験から,全国学力調査に賛否あることを承知のうえで,図画工作科の研究指定校では,思考力や判断力といったB問題の学力が上がるという事例も挙げています。

また本書には,奥村先生とスペシャルゲストとの対談も,複数掲載しています。

臨床心理学者で,国立精神・神経医療研究センター客員研究員でもある前田基成先生との対談では,人間の「脳」が美術鑑賞によってどう働くのかを明らかにしながら,創造性は鍛えられるということも示唆しています。創造性とは個々の学力を押し上げたり,ビジネスを飛躍的に前進させたり,生きるために必要なものであることに,改めて気づかせてくれる内容です。帝京科学大学教授・上野行一先生との対談では,映像情報が氾濫し,拡散していく現代社会の中で,「ちゃんと見て考える,考えて見る」経験の大切さに気づかせてくれます。解説は,慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉先生です。

巻末の「番外 奥村式 美術館の歩き方」は,思わず美術館に足を運びたくなる,新しい視点での実用情報です。

激変する現代を生き抜くための一つの道筋として美術がある。

本書を読めばきっと,そう感じていただけるはずです。

詳細はこちらから。

『エグゼクティブは美術館に集う』(2015年4月25日発行)