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子供は悪いのが好き

四方田 犬彦

比較文学者・映画史家

あまたあるフィルムに登場する,多彩で多様な子どもたちを語り尽くした書籍。

担当編集者が,『子供は悪いのが好き』の魅力をご紹介します。

親代わりのチャップリンとともに,貧しくもたくましく暮らす利発な少年,ジョン(チャップリン『キッド』)。天真爛漫で他者に無関心な8歳の少女,ローダ(マーヴィン・ルロイ『悪い種子』)。不思議なきっかけで魂が入れ替わってしまった中学生,斉藤一美と斉藤一夫(大林宣彦『転校生』)――。

洋の東西を問わず,これまで映画の中で描かれてきたのは,決して純真無垢な子どもだけではありません。「子どもとは純真無垢」という美しい理想とは違う,多彩で多様な子どもたちもまた数多く存在します。そして,そうした子どもたちが,私たちの心をつかんで離さない魅力をもっているのも事実です。

映画がひとたび取りあげたものの,忘却の彼方に追いやってしまったこうした子供たちの一人ひとりについて,何か記録のような文章が書かれてもいいのではないか。わたしはそう思って,こうした「悪い子供」のリスト作りを開始したのである。(本書「はじめに」より抜粋)

本書『子供は悪いのが好き スクリーンのなかの幼年時代』は,児童文学総合誌『飛ぶ教室』(3~16号)に連載された,四方田犬彦さんの映画エッセイ「スクリーンのなかの子供」に,新たな書きおろし10本を加えた書籍です。

四方田さんといえば,映画に関する著作を何十冊となく世に送り出してきた映画史家。本書執筆について,「子供とは無垢にして純真であるというロマンティックな観念を,それこそ子供のときから大嫌いだったわたしが,まさか子供について書くことになるとは,夢にも思ってみなかった」と振り返ります。

『恐るべき子供たち』『ブリキの太鼓』『野生の少年』『都会のアリス』『アキレスと亀』など,映画史に名を残す名作を取り上げ,そこに描かれた子どものありようを語る本書。ぜひお手に取ってお楽しみください。

――これは,あまたある映画に登場する「悪くて,イジワルな」子どものリストです。