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書き文字の正誤は、どう判断するか

書写の疑問、すべて解決!

2015年3月2日 更新

編集部には、毎日全国各地から質問が寄せられています。教科書の内容に関することはもちろん、筆順などの文字に関する一般的なことから文字の成り立ちや書写教育の歴史にいたるまで、バラエティーに富んだ内容です。
ここでは、そんな中から代表的なものを選んで、編集部としての見解を交えつつ解説をしていきます。

書き文字の正誤は、どう判断したらいいのでしょうか?

学年別漢字配当表に示されている活字は、あくまでも標準であって、絶対ではありません。同じ文字を書くにしても、書き手によって、また同じ書き手でも書くたびごとに、書き文字にはさまざまな形が現れます。また、「許容の形」や活字と書き文字の違いなどを見ても、文字にはさまざまな書き方があって、「この書き方だけが正解!」と言いきることは非常に難しいといえます。そこで、書き文字の適否・正誤判定の一つの例を、編集部からご提案したいと思います。

例を見てみましょう。

「画数が変わっているものの例」と「筆順が間違っているものの例」と「字形が異なっているものの例」

(1)の文字のように、画数が変わっているものや、(2)のように筆順(書き順)が明らかに間違っているために字形がくずれているもの、(3)のように明らかに字形が異なっているもの(折れて払うべきところを止めにしている)など、画数の間違いや誤読につながるものに関しては誤りと判断してもよいと思います。あまりにも極端な例は別ですが、速書きする中で止めるべきところをはねてしまっているものや、のびのびと書く中で点の位置が標準とは多少ずれてしまっているもの、その他許容の範囲内で説明がつくものに関しては、子どもたちの実態を考慮しつつ柔軟に対応してもよいのではないのでしょうか。

もちろん、初めからさまざまな書き方を示してしまうと、子どもたちは混乱してしまいますから、初出の漢字を教える際には、標準の形を示すのがよいでしょう。

文字を書くことに慣れ、書く量が増してくると、自然に標準の形以外のものが発生してくるようになります。子どもたちの学習意欲を高めるためにも、「標準の形と違うからダメ!」と否定するのではなく、「こんな書き方もあるよ。じゃあこの文字はどうだろう。」というように子どもたちに興味・関心をもたせつつ、柔軟にご指導いただくことが望ましいと思われます。


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