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質問23 「別葉」って、なに?

ここが知りたいQ&A

2017年10月30日 更新

35年以上にわたり道徳教育の研究を続けてきた富岡 栄先生(麗澤大学大学院准教授)が、「特別の教科 道徳」に関するよくある疑問にお答えします。

回答:富岡 栄(麗澤大学大学院准教授)

学校における道徳教育は、道徳科が要として全教育活動を通じて行うことを基本としています。これを円滑に機能させていくためには道徳教育の全体計画が必要です。道徳教育の全体計画に盛り込むべき事項は、基本的把握事項として教育関係法規の規定、時代や社会の要請や課題、児童生徒の実態や教師の願いなど、具体的計画事項として学校の教育目標、道徳教育の重点項目、道徳科の方針などがあります。全体計画の形式については一定の様式はありませんが、一例を示すと下のような構造が考えられます。

しかしながら、道徳教育が学校教育全体を通じて行われることを考えると、全ての教育活動をこの全体計画に詳細に盛り込むことは難しいと思われます。そこで、全体計画に記入し切れない内容については、全体計画とは別に作成して示すことができます。これが別葉です。別葉に示される内容は、道徳科における内容項目と関連を踏まえた各教科、総合的な学習の時間、外国語活動、特別活動における指導の内容及び時期並びに家庭や地域社会との連携の方法を示すことなどがあります。定まった形式はありません。

道徳教育の全体計画の構造

  • 日本国憲法
  • 教育基本法
  • 学校教育法
  • 学習指導要領
  • 教育行政重点施策
  • 時代や社会の要請や課題

学校の教育目標
道徳教育の重点目標

  • 学校や地域の実態や課題
  • 教職員や保護者の願い

生徒の実態や発達の段階

  • 各教科
  • 特色ある教育活動
  • 豊かな体験活動
  • 生徒指導
  • 学校・学級の人間関係や環境の整備

各学年の指導の重点目標

道徳科の指導の方針

  • 特別活動
  • 総合的な学習の時間
  • 外国語活動
  • 家庭や地域との連携
  • 他校や関係機関との連携
  • 校内研修や道徳教育の推進体制

富岡 栄(とみおか・さかえ)

麗澤大学大学院准教授。公立中学校教諭、管理職として、35年以上にわたり道徳教育の研究を続けてきた。平成27年3月、群馬県高崎市立第一中学校校長を定年退職。退職後は大学にて道徳教育に関する講座を担当。日本道徳教育学会、日本道徳教育方法学会の評議員を務める。平成27年一部改正「中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編」の作成協力者の一人。

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