笑顔で対話を楽しめる工夫を 沖縄県豊見城市立座安(ざやす)小学校の取り組み

2020年7月1日公開

豊見城市では、5月に入ってから新たなコロナ感染者が確認されておらず、5月21日から授業が再開されました。子どもたち、先生たちの日常は少しずつ戻りつつありますが、教室での様子は以前と大きく異なっています。
しかし、そんな中でも、子どもたちの学びを支える工夫を続けている座安小学校(具志直哉校長)の取り組みをご紹介します。

手作りのフェイスシールドと仕切り板で感染予防

今年から新学習指導要領が完全実施となり、より対話を重視した展開が望まれていますが、座安小では、コロナ感染を避けるために、外国語科で大切なコミュニケーションの場をどうすればいいのか悩んでいました。特に英語の発話では口元が重要で、先生たちは口元の見える透明マスクやフェイスシールドを活用。しかし、マスクを付けている児童は、表情も口元も読み取れない状態です。

そこで、コミュニケーションがよりよくできるように、児童一人一人にフェイスシールドを自分たちで作成してもらうことにしました。

材料は100均でそろえられるものばかりで、硬質ファイルの両端を裁断し、2枚に分け、べんりベルト、すきまテープだけで、わずか一人100円くらい。作成時間も慣れてしまえば5分程度の簡単なものです。

胸もとまでおおえるような長いフェイスシールドですが、そればかりでは心許ないので、グループ学習を行う際の仕切り板も先生たちが市の営繕の方や管理職とともに身近な材料で手作りしました。

教室は熱中症予防のためにクーラーをかけた上で、窓の隙間を少しずつ開けて換気し、英語ルームでの授業が終わるたび、1日に6回、児童の机を消毒します。清掃時や放課後は椅子も仕切り板も消毒。1週間で消毒のボトルが2本はなくなるそうです。児童も自分の手やフェイスシールドを洗い、消毒しています。

試行錯誤しながら、笑顔で対話を楽しめる授業を

外国語科の授業では、以前のようにカードをペアやグループでシェアすることはできないので、個人で活用させたり、アクティビティも教科書通りにはできないので、どう置き換えるかを考える必要もあったりと、課題は多く残されています。

外国語科を担当する島袋あゆみ先生は、「コミュニケーションが大事な外国語の授業では、表情豊かにお互いの顔を見て安心し、対話を楽しめる授業を行いたい。だが、そのためにはいろんな対策のアイディアと日々の細心の配慮が必要」と話し、笑顔で対話を楽しめる授業をするために、自分たちでできることを試行錯誤しながら日々チャレンジを続けています。

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