未来を担うすべての人のために――光村の社会的責任

未来を担う全ての人のために 光村の社会的責任

光村図書は、すべての子ども、そしてすべての人々が豊かな心と言葉を育み、 いつまでも学ぶ喜びを実感できるものを作り、届け続け、それを通じて 新しい文化を創造していくことに寄与します。

20年近く前の少年野球の試合で、6-4-3のダブルプレイがありました。全員が4年生以下。おんぼろグラウンドでの練習試合でしかなかったのに、生まれて初めてダブルプレイを成功させた選手たちは、こぶしを突き上げてベンチに走ってきました。笑顔とも違う「できた」「やった」という表情。セカンドはうちの息子でしたが、お父さんコーチとしてベンチで出迎えた自分は、そんなことに関係なく胸がいっぱいになりました。
何を目ざし、どう考え、どこから取り組むか。教科書発行という仕事を通して光村図書が実現したい「未来」は、社員一人一人にとって違う像でしょう。ですが、自分はあの日の少年たちの姿こそが「未来」ではないかと、今も思っています。
何を変えなくてはならないのか。変わってはいけないことは何か。何度も自分に問い直し、自身の生き方も変えるべきは変える。抽象的な言葉に頼るのではなく、目に見えるものとして「未来」を捉える。それが、光村図書の背負う責任だと考えています。

代表取締役社長 吉田 直樹

代表取締役社長

吉田 直樹

光村図書が実現したい3つの未来

すべての子どもたちに学ぶ喜びを

すべての子どもに学ぶ喜びを味わってほしい。光村図書は、いつの時代も変わることなくその思いをもち続けてきました。そして、編集スタッフ全員が、子どもたちを取り巻くさまざまな課題について考え、研究を重ね、支援が必要な子もそうでない子もみんなが使いやすい教科書をつくり続けています。

一人一人の使いやすさに配慮して

ユニバーサルデザインへの取り組み

光村図書の教科書は、専門家の指導・監修のもと、すべての教科のすべての紙面に対して、誰もが学習しやすいレイアウトを追究しています。特別支援教育の観点から、文字や写真の配置に配慮したり、子どもたちの色覚特性ごとの見え方を検証して、色の組み合わせや形に工夫を施したりしています。また、学年の発達段階に応じて書体を使い分けるなど、紙面の細部に至るまで、ユニバーサルデザインの考えに基づく編集を行っています。

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拡大教科書の発行

弱視の子どもたちの学習上の負担を軽減するために、文字や図版を大きくして学びやすくしている「拡大教科書」。光村図書では、「すべての子どもたちが等しく教科書の楽しさを味わい、よき言葉の使い手になってほしい」という願いから、1992年、教科書会社として初めて拡大教科書を編集・発行しました。2008年に教科書バリアフリー法が成立する15年以上も前のことです。
通常の教科書を単純に拡大するのではなく、弱視の子どもたちにとってより読みやすい文字の大きさや書体、図版の配置などを工夫し、教科書の内容、編集意図を損なうことなく再構成しています。


誰もが前を向いて生きられるように

多様性への配慮

光村図書は、教科書を通して、多様性に寛容な社会をつくることを目ざしてきました。さまざまな生き方や価値観を受容する姿勢を育む教材はもちろんのこと、写真や挿絵などにおいても、子どもたちが固定観念にとらわれないものを選定しています。コンプレックスや悩みを感じやすい思春期の子どもたち全員が自分を肯定して前向きに生きられるように、文章表現、写真、挿絵のすべてにおいて、多様性に配慮した紙面づくりを行っています。


学びの可能性を広げる挑戦

デジタル教科書の開発

個々の興味・関心や特性に応じた学びを実現することができる「デジタル教科書」。デジタル教科書の登場により、子どもが教科書に合わせるのではなく、子どもに教科書を合わせることが可能になりました。視覚特性のある子どもの読みの負担を軽減する「白黒反転機能」、日本語指導が必要な子どもや、学習支援が必要な子どものための「振り仮名表示機能」「音声読み上げ機能」など、発売当初から特別支援ツールを充実させ、現在も高い評価を得ています。
未来を生きるすべての子どもたちの学びの可能性を広げるべく、さらなる研究・開発を続けています。

言葉の力で人をつなぐ

言葉の力で、すべての人の生活を豊かに彩り、人と人をつなぎたい。光村図書は、創立以来、人と人が理解し合える手段の一つである言葉の力を誰よりも信じてきました。教育・出版事業を通じて、言葉のもつ可能性をどこまでも広げたいと考えています。

世界の人々をつなぐ架け橋に

日本語学習テキスト『中日交流標準日本語』

国語の教科書発行の経験を生かし、1988年に中国の人民教育出版社と共同で、中国語話者向けの日本語テキスト『中日交流標準日本語』を発行しました。日本語を独習する中国人の80%以上に愛用され、累計利用者数は1000万人を超えています。
言葉を学ぶことを通じて、お互いの国の文化や生活をより深く知り、よりよい関係を紡いでいけたら――。光村図書は、言葉のもつ力を信じ、世界中の人々をつなぐ架け橋を築いていきたいと願っています。


子どもたちの心をつなぐ取り組み

「地球人のあいさつ」プロジェクト

株式会社IHIと提携し、国内外の子どもたちの心を連句でつなぐ取り組み「地球人のあいさつ」プロジェクトを展開しています。これまで10の国や地域の小・中・高等学校延べ119校、約1万6000名が参加し、国や地域を超えた連句づくりに取り組み、災害やコロナ禍で不安を抱える子どもたちが互いに励まし合い、本音を語り合える場となっています。


言葉の力を信じて

被災地の子どもたちへ メッセージ集の発行・配布

被災した子どもたちのために、私たち光村図書ができることはないか――。
1995年 阪神・淡路大震災、2011年 東日本大震災、未曽有の災害に、多くの社員が言葉を失いました。しかし、こんなときだからこそ、傷ついた子どもたちのために、言葉の力で何かをすべきではないか――。同じように、子どもたちに励ましの言葉を送りたいと願っていた作家、画家をはじめとした多くの方々と思いがつながり、メッセージ集を発行。被災地の小・中学生に届けました。

みなさんには、「明日」があります。わたしたち大人より、ずっとずっといっぱいの「明日」があります。「明日」は、みなさんがどちらを向いていても、どの方向に向かっていても、必ず前から来ます。泣きたいときはがまんしないで、いっぱい泣いてください。見えなくても、いっしょに泣いているだれかがいるはずです。そして、もちろん、笑顔も忘れないでね。

作家・あまんきみこさんのメッセージの一部


より大きな取り組みにするために

言語文化の振興に取り組む団体への支援

言葉の力で豊かな社会をつくること、人と人をつなぐこと――。それは、一つの会社の力で実現するものではありません。言語文化の振興に取り組む団体への支援を行ったり、ともに協力し合ったりすることで、より大きな取り組みになることを目ざしています。

【定期的に寄付や支援を行っている団体】
一般財団法人 言語教育振興財団
公益社団法人 国際日本語普及協会
公益社団法人 読書推進運動協議会
公益社団法人 日本文藝家協会
社会福祉法人 日本点字図書館
独立行政法人 国立文化機構 東京国立博物館

すこやかに暮らせる環境をいつまでも

子どもたちの未来のために、あらゆる生き物がすこやかに暮らせる地球環境を守りたい。光村図書にとって、それは責務でもあり、心からの願いでもあります。
関係会社の協力のもと、社員一丸となって環境保全について考え、取り組み続けています。

わたしたちの責任

グリーン電力への切り替え・グリーン電力証書の活用

光村図書では、電力使用におけるCO2排出量削減に貢献するため、2022年12月より、本社で使用する電力を100%再生可能エネルギーによってつくられた電力(以下「グリーン電力」)に切り替えました。また、支社で使用する電力については、利用した電力量と同等の「グリーン電力証書」をサミットエナジー株式会社から購入しています。令和4年12月から令和5年5月に支社で使用した電力量は、66,095kWhでした。
※「グリーン電力証書」とは、証書を購入することで、記載電力量相当のグリーン電力を利用したものとみなすもので、再生可能エネルギーの普及に貢献することができます。

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環境への配慮と学びやすさを両立するために

印刷・製本上の工夫と配慮

光村図書の教科書は、環境負荷に配慮するために、すべての教科でベジタブルインキを使用しています。また、小学校教科においては、FSC®CoC認証を取得している企業での印刷・加工の取り組みも行っています。
子どもたちが毎日手にする教科書には、長期使用に耐えうる堅牢性、長時間読み続けても目の疲労の少ない柔らかい色相など、一般商品とは異なる仕様が求められます。学習のしやすさに配慮するため、裏写りや表裏差が少ない用紙の開発、教科特性に応じた塗工(鉛筆での筆記のしやすさへの配慮)なども欠かせません。光村図書では、こうした子どもたちの学びやすさを担保しながら、環境への負荷ができるだけ小さくなるような素材を使用しています。


いま、子どもたちのためにできることは何か

社員一人一人が環境について考え、意見を出せる場

光村図書では、2021年より、環境保全と事業活動の両立について考える「グリーンプロジェクトチーム」を発足するとともに、社内イントラネット上に「環境目安箱」を設置。環境保全について社員一人一人が自分ごととして考え、意見を出せる場を設けています。社員の声から実現した環境対策として、紙製クリアファイルを試行する、社内コピー用紙に再生紙を使用する、会議のペーパーレス化を推進するなどの取り組みが行われています。

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