
みつむら〝ひと〟クローズアップ
2025年7月28日 更新
光村図書 広報部
このコーナーでは、光村図書の教科書にゆかりのある人々にスポットを当て、その業績や横顔などを紹介していきます。
生誕130年 武井武雄展~幻想の世界へようこそ~
1970年代の光村図書の国語教科書の挿絵で、独特の色づかいや人物の表情が印象に残る童画家・武井武雄。
童画家、版画家、デザイナー、教育家として活躍した武井(1894-1983)の生誕130年を記念する展覧会が、2024年、東京の目黒区美術館ほかで開かれました。
武井は、「童画」という言葉を生み出し、一つのジャンルとして確立した人です。
展覧会では、「童画」「版画」「刊本作品」「デザイン」など、さまざまな画業の300点余を紹介。
童画では、絵雑誌『コドモノクニ』はじめ、『キンダーブック』などに幻想的で夢のある作品を多く発表し、当時の子どもたちの心を不思議な世界に誘いました。
また、挿絵に螺鈿細工を取り込んだり、ゴブラン織りや友禅染、寄せ木細工、セロファンのスライドを使った「刊本作品」も見る人の心を奪います。斬新なデザインや素材で、美しく緻密に制作された「刊本作品」は、本自体を芸術作品と捉え、細部に至るまで心血が注がれ、「本の宝石」とよばれています。
武井が活動したのは大正時代後期から昭和の末年までですが、その作品は今の私たちが見てもまったく古さを感じさせません。見る人の想像をかきたて、大人も童心に戻ってしまうようなすてきな世界が広がっています。
イルフ童画館で「武井武雄生誕130 年記念展」フィナーレ
2026年1月24日〜3月31日、長野県岡谷市にあるイルフ童画館で、フィナーレとして、「武井武雄生誕130年記念展」で紹介された作品が展示されます。
ぜひこの機会に武井の世界に触れてみませんか。
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