学校再開後の生活科授業で大切にしたいこと③ 大切にしたい三つの思考法

三密を避けるためにはどうすればよいか、という方法だけを問う思考法では、どうしても行き詰まりがちです。よい方法が見つからなければ、「今年度は生活科の授業はできない」、「こちらが指示したことをやらせるしかない」といった結論に至ってしまいます。生活科に限らず、学校再開後の三密を避けた授業づくりで私たちが大切にしたい三つの思考法があります。

1 そもそも

方法を問う前に、この学習活動で目指していたのはそもそも何だったのか、授業のねらいや学習指導要領上の目標や内容に戻ってみましょう。

2 だったら

ねらいを確認したら、それを実現するための方法を前例にとらわれずに柔軟に発想したいものです。

3 とりあえず

三密を避けた授業づくりなど、誰も経験がありません。思い付いたアイデアはとりあえずやってみる、どんどん試してみるということが大切だと思います。

三密を避けるという状況の中でも、資質・能力の三つの柱をバランスよく育成していけるように、「そもそも・だったら・とりあえず」という思考法で新しい生活科授業を創造していきましょう。

【参考】

文部科学省「新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した公立学校における学習指導等の取組状況について」

文部科学省「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における「学びの保障」の方向性等について(通知)」

文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」

 

松村英治(まつむら・えいじ)

大田区立松仙小学校主任教諭。平成24年度より東京都公立小学校勤務。

生活科やスタートカリキュラムの充実を目ざし、全国に向けてさまざまな実践提案を行うほか、研修講師なども多数務めている。
著書に、『学びに向かって突き進む! 1年生を育てる』(東洋館出版社)、『育ちと学びを豊かにつなぐ 小学1年 スタートカリキュラム&活動アイデア』(明治図書出版/共著)などがある。
「発達や学びをつなぐスタートカリキュラム」(文部科学省・国立教育政策研究所 編著)作成協力者、「評価規準、評価方法等の工夫改善に関する調査研究(令和元年・生活科)」協力者などを務める。光村図書『せいかつ』教科書編集委員。

 
 
 


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