プロダクトデザイナー・多摩美術大学教授 柴田文江が選んだこの1点
「絶やさない生気」

作者の言葉
長い年月を経てボロボロになっても生気をなくしてない様子を表現するためにつくりました。材料は、目にはガラスを、その他の部分は針金、金属板、革を使いました。
私が選んだ理由
「見れば見るほど発見がある」
作品全体から醸し出される存在感が魅力だと思います。モチーフに対して適材適所に素材選びがなされており、タコの有機的なフォルムのなかの独特な質感表現も豊かです。見る力によって見出したことを、造形に落とす際の創意工夫のアイデアが面白く、脚の動きなど細部の造形処理も秀逸で、見れば見るほど発見のある作品です。

柴田文江
山梨県生まれ。プロダクトデザイナー、多摩美術大学教授。光村図書高等学校『美術』教科書の編集委員。
2025年6月4日公開