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国語と書写の授業の一体的展開のすすめ

2020年7月15日公開

広島大学大学院教授 松本仁志

みなさんの学校では,コロナ禍や豪雨災害などによる休校措置で,授業時間の確保に苦労しておられることと思います。そんな今だからこそ,国語と書写の授業の一体的展開で,時間の確保を工夫してみてはいかがでしょうか。

光村の書写教科書は,国語教科書とリンクする教材に『国語』アイコンをつけています。例えば,書写6年「短歌を書こう」(P.12)は,国語6年「たのしみは」(P.60)とリンクさせています。

「たのしみは」では,言葉による表現を工夫しながら自分の「たのしみ」を表す短歌を作ります。一方,「短歌を書こう」では,短冊の書き方を学習します。両者の活動をそれぞれ国語の時間,書写の時間,と分けて行わずに,表現を工夫して短歌を作る活動と短冊に書いて交流する活動を一連の流れとして設定することで,学習全体をいにしえの歌会のような楽しいコミュニケ-ションの場,として演出することができます。また,伝える相手がわかっているので,書写の学びにおける相手意識の大切さを認識しやすくなります。

また,書写5年「インタビューメモの書き方」(P.12)は,国語5年「きいて、きいて、きいてみよう」(P.38)とリンクさせています。

「きいて、きいて、きいてみよう」の授業では,きき手・話し手・記録者という役割を交代しながらインタビュー活動をし,役割によって変わる「聞くこと」の意味を学習します。一方,「インタビューメモの書き方」の授業では,記録者によるインタビューメモの書き方を学習します。インタビュー活動を準備する展開にメモの書き方の学習を組み込めば,書写の学びにおける目的意識の大切さを,子どもははっきりと認識することができます。また,インタビュー活動もより本格的で質の高いものになるでしょう。

このように,「短冊に書く」「メモを書く」といった活動単位の書写の授業は,国語の授業と一体的に展開することで,学習全体を生活に生きる言葉の学びの場とすることができます。また,その場は,書写における相手意識や目的意識の大切さを認識する場になり,系統的なスキル学習の必要性に改めて気づくきっかけともなるでしょう。

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