光村図書は 1949 年の創立以来、小学校・中学校・高等学校の教科書をつくってきました。
一般的な本とは違い、教科書は約 4 年もの歳月をかけてつくります。
「教科書づくり」にはたくさんの工程があり、その一つ一つに社員や関係者の強い思いや願いが詰まっています。
ここでは、その主だった工程をご紹介します。
教科書づくりの工程を見てみよう!
STEP1 企画
文部科学省告示の「学習指導要領」をもとに、どのような教科書をつくるのか議論します。日ごろから、学校現場やさまざまなメディアから広く情報収集を行い、理想とする教科書のイメージと、社会の実情とをすり合わせ、編集方針・全体の構成を練り上げます。
STEP2 教材づくり
編集方針に沿って、教材の候補を集めます。編集部員が自ら、たくさんの作品(文学・絵画・書など)に目を通し、外部の専門家と連携しながら、教材に最適な作品を検討します。子どもの発達段階に合わせた教材を揃えるために、書(描)きおろしも依頼します。
STEP3 挿絵、図版、写真の作成
挿絵や図版、写真などを手配します。写真は、教材のねらいに沿ったものを撮りおろすほか、専門性の高い内容のものは既存データを活用します。また、教科書紙面のQRコードからリンクする動画の撮影も行います。
STEP4 デザイン・組版
文章、挿絵、図版、写真などの素材が揃ったら、紙面データをつくります。すべての子どもたちにとって使いやすい教科書をめざし、ユニバーサルデザイン(UD)の観点も踏まえてデザインします。
(写真=特殊なゴーグルを着け、色覚特性に配慮されているかチェックする。)
STEP5 校閲
紙面の内容・デザインが決まったら、誤記や誤植がないか、表現は適切か、事実に誤りがないかなど、あらゆる観点から細かくチェックします。
STEP6 検定用教科書作成
印刷会社にデータを入稿し、文部科学省の検定に提出するための申請本を作成します。美術作品などは、実物の色に近づけるために色校正を厳しく行い、校正刷りを繰り返します。
STEP7 検定
できあがった本を、文部科学省に提出します。検定に合格した本だけが教科書とよばれます。
STEP8 印刷・製本
実際に子どもたちが使う教科書(供給本)を作成しま す。令和4年度の光村図書の教科書(小中高)発行部数 は約1,770万冊。教科書に使う紙やインクは、健康や環 境、読みやすさに配慮しながら選定しています。
STEP9 配布
教科書は「本」として完成しただけでは不十分で、全国の子どもたちに送り届けなくてはなりません。教科書供給業者を経由して、4月からの新学期に間に合うよう「完全供給」に努めています。