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空書きのすすめ

筆順指導や,字形指導などでよく行われる方法として「空書き(そらがき)」とか「空書(クウショ)」といわれるものがあります。教師が児童に向かって左手を前に突き出し,筆順に沿って鏡文字を書き,児童がそれに倣っていっしょに書いていく方法です。
下記は,ある書写研究会の授業で見た,空書きの指導の一場面です。

先生 (大きく足を開き背伸びをして,左手を高く空にかざし)
「今日書く画だよ,よーし,行くぞー。」

児童 (机の横に立ち,先生に負けないほど背伸びをして右手をかざし)
「オーッ!」

先生 「縦画行くよー,筆が入った,真っすぐ下ろすよー,止まった,
ゆっくり離すよー,はいできた!」
(真上からゆっくり下ろし,腰を曲げ手が床に付くほどまで下ろす。)

児童 「真っすぐー……よしできた!」
(先生に負けないほど手が床に付くまで長い縦画を書く。)

この方法で点画を数種類書き,最後に本時に書く文字を空書きしました。わずかな時間でしたが,ダイナミックなその空書きは児童の学習意欲を喚起するのには十分。「先生,早く書きたい」「体が温かくなってきた」「よし,書くぞー」とあちらこちらから起こる児童のささやきやつぶやき,そして,机に座ってからの意欲に満ちた前かがみの姿勢はそのことを物語っています。このとき教師歴わずか1~2年の先生によるウォーミングアップを兼ねた空書きは,工夫しだいで書写の授業は楽しく学ぶ場に変貌することを体現しているようでした。