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小学3年 どうとくが始まるよ

道徳科実践レポート

2025年3月19日 更新

糟谷樹理 仙台市立北六番丁小学校 教諭

光村図書「どうとく3 きみが いちばん ひかるとき」より、「どうとくが始まるよ」の実践をしました。

教材の内容

内容項目

内容項目を限定しない

ねらい

道徳科の「授業びらき」を通して、主体的かつ協働的に学ぶ実感が味わえるようにする。また、1年間の学習の流れを把握し、道徳の授業への積極的な参加と実践への意欲を育む。

教材について

学年の始まりの道徳科のオリエンテーションとして、「何を学ぶ時間なのか。」「どのように学ぶ時間なのか。」が示されている。

わたしの授業、ポイントはココ!

わたしの授業、ポイントはココ! 画像

表紙・挿絵から想像を膨らませる

「道徳は、心を見つめる時間であること」を伝えます。語り合うことを通して、状況や様子を想像し、言葉にします。子ども自身の「いいな。」「すてきだな。」「これはどうかな。」という感覚を引き出すことで、教材を自らの心に重ね合わせることができると考えています。
子どもたちは、まだうまく表現できないかもしれません。しかし、どんな意見も真剣に受け止め、心から話を聞くという教師の姿勢を示す時間です。

教師との対話から子どもどうしの対話へ

表紙、巻頭詩のページも活用します。もらったばかりの教科書への期待感と、自由に話し合うことの楽しさを感じながら、学びの道筋を考えていきます。教師との対話から子どもどうしの対話が自然にできるようにします。

授業をのぞいてみよう

表紙から想像を広げ、感じたことを語り合う(発問①) 画像

発問

表紙の子どもたちは何を見ているのでしょうか。

  • きっと空を見ている。
  • 何か落ちてきている、花びらかな。
  • 空が光っている。

表紙には「きみが いちばん ひかるとき」と書いてありますね。表紙も新しく、ぴかぴかに光っていますね。3人の上にある空は、どんな空だと思いますか。

  • 晴れた空。虹が出ているのかも。

指導の工夫

「何を見ているのか。」「どんな空があるのか。」という問いに明確な答えはありません。自由に発言を促します。「きみが いちばん ひかるとき」は、後半の問いにつながるので板書します。

発問

道徳の授業を通して、さまざまな心について学びます。心は、空にある天気のように変わりますね。例えば、晴れた空はどんな気持ちを表すと思いますか。

  • 晴れた空は、いい気持ち。太陽が出ていたら、心も明るくなる。

「心の天気」と考えてみてください。うれしいときは、晴れなのですね。では、悲しいときはどんな天気ですか。他にもありますか。

  • 悲しいときは、雨が降っている。
  • 雷や吹雪のときは、怒っているみたい。

これから、さまざまな天気のように、さまざまな心を見つけていきましょう。(巻頭詩を読む。)このように私たちは、心について考えながら生きていくのですね。

「天気と心」について話し合う(発問②) 画像

​​​​​​指導の工夫

心も天気のようにいろいろな状態や姿があることに気づけるようにし、巻頭詩を読んで意味づけをします。どのような表現でも受け止めて承認します。

発問

(教材「①どうとくが始まるよ」を示す。)さて、道徳の勉強では4つの部屋があります。それぞれの部屋に、さらに小さい扉があり、全部で20の内容を勉強します。興味のあるものはどれですか。隣の友達に理由もつけて話しましょう。

  • 私は「いのち、しぜんとのかかわり」の「18 いのちあるものを大切にする」を勉強したいです。命はこの世でいちばん大事だからです。

指導の工夫

児童が1年間で学ぶ輪郭を描き、興味のある内容を話すことで意欲を喚起します。「どうとくみちあんない」も紹介してからペア活動に入るとよいです。

発問

皆さんの話す姿や表情、リアクションはとてもすてきです。さらに友達とすてきに話し合うための「こつ」があるのですよ。やってみましょう。まず、先生が話すので「ああー」と反応してくださいね。(「話し合うためのこつ」を示しながら「いいね」「うんうん」など、教師と対話する。次に、児童どうしペアで行う。)

  • ちゃんと反応してくれると話しやすいな。

それでは、こんなときはどのこつを使いますか。「先生は昨日、道で転んでしまいました。」

  • ああー。
  • いいね。
  • あれ? 「道で転んでしまいました。」と言われたら「いいね。」は合わないよ。相手の話をちゃんと聞かないといけないね。

指導の工夫

先生がユーモアを交えて経験を語り、児童が応答する練習を楽しくします。応用として「先生は昨日、道で転んでしまいました。」に、どれで答えたらいいかなどを考える工夫もします。上手に聞き合っているペアを見つけて賞賛します。

中心的な発問

みんなとの話し合いを通して、いろんなことに気づいて、心を成長させていくのが道徳の授業なのですね。本を閉じて、表紙を見ましょう。「きみが いちばん ひかるとき」とは、どんなときのことだと思いますか。自分だったら、友達だったら、どんなときですか。

  • がんばったとき! テストで100点取ったとき!
  • できなかったことができるようになったとき。
  • いい考えがぴかっと思いついたとき!

来年の3月に、皆さんの「きみが いちばん ひかったとき」をききますね。たくさんの「輝く自分や友達の姿」を見つけてくださいね。今日の授業で「わかった・いいな・やってみたいな」と思ったことをノートに書きましょう。

指導の工夫

年間の最終授業で、同じ問いを投げかける予告をし、継続して考えられるように促します。振り返りの時間では、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度に触れて、「わかった・いいな・やってみたいな」で考えられるように声かけをします。

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