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そがべ先生の国語教室

宗我部 義則

お茶の水女子大学附属中学校教諭

30年の教師生活で培った豊富な実践例をもとに,明日の国語教室に役立つ授業アイデアをご紹介します。

宗我部義則(そがべ・よしのり)

1962年埼玉県生まれ。お茶の水女子大学附属中学校教諭。お茶の水女子大学非常勤講師。国立教育政策研究所「教育課程実施状況調査問題(中学校国語)」作成および分析委員。平成20 年告示中学校学習指導要領解説国語編作成協力者。編著書に『群読の発表指導・細案』(明治図書出版)など。光村図書中学校『国語』教科書編集委員を務める。

第20回 古典を楽しむ(2)
――「Contemporary Remix 和歌」

2017.01.20

前回に続いて,和歌を現代詩化して写真作品と組み合わせ楽しむという学習をご紹介します。

第19回 古典を楽しむ(1)――「Contemporary Remix 和歌」

生徒の作品例をもう一つ見ていただきましょう。

画像,生徒作品

作品例2 「見ずもあらず……」(1枚目)

画像,生徒作品

作品例2 「見ずもあらず……」(2枚目)

恋は中学生の一大関心事。「百人一首にも恋歌がたくさんあるけれど,作者の心情が語られている分,現代詩に書き換えやすいかもしれませんね」と話したので,恋歌を取り上げた生徒も少なくありません。

「ながめる」というのは,古典和歌の中では「遠くを見る」という現代語の意味よりは「物思いにふける」という意味で用いられることの多い語です。ですから「今日は見るだけで」という現代詩化では,そのことがわかっているのかどうかわかりかねます。そこで解説の下書きを見てみると,

「見なかったとも言えず,見たとも言えなかった人が恋しくて,今日はただ,訳も分からないまま思いを過ごそうと思います。」

と,しっかり歌意を調べられています。そこで,コンピュータ室で制作している途中で,「『ながめ』は古典では『物思いにふける』という意味なのをちゃんと調べてありますね。現代詩の『今日は見るだけ』だと『物思い』という意味は伝わりにくいけど,この写真がいいですね。夜になって窓の外を眺めながらあの人のことを思っているだろうってすぐに伝わりますね。これは自撮り?」と聞くと,嬉しそうに「家の人に撮ってもらいました」と答えました。


二つの作品例を見ていただき,途中の指導の様子をご紹介しました。いかがですか? 和歌の現代詩化。

「書き換え」という言語活動を通して作品を読み味わっていくときには,こんなふうな声かけのしかたが,鑑賞の質も作品の完成度も高めていくのではないかと考えています。

次回は「奥の細道」を取り上げます。

目次

【第1回】 響く声を育てよう <2015.03.31>

【第2回】 力のつく国語のノートづくり <2015.05.11>

【第3回】 話し合い指導(1)―土台固めを大切に― <2015.06.17>

【第4回】 話し合い指導(2)―進行,参加のしかた― <2015.06.29>

【第5回】 話し合い指導(3)―発表のしかた― <2015.07.13>

【第6回】 話し合い指導(4)―考えを可視化する― <2015.09.01>

【第7回】 語彙指導 ―「言葉の宝箱ノート」― <2015.10.13>

【第8回】 「比べる」ことで「考える力」を引き出す <2015.12.02>

【第9回】 「比べる」ことで「読む力」を引き出す(1)――「走れメロス」(2年) <2015.12.09>

【第10回】 「比べる」ことで「読む力」を引き出す(2)――「走れメロス」(2年) <2015.12.15>

【第11回】 読書指導――学校図書館と連携して読書に誘う(1) <2016.02.23>

【第12回】 読書指導――学校図書館と連携して読書に誘う(2) <2016.03.01>

【第13回】 国語学習 三つの誓い <2016.04.04>

【第14回】 デジタル教科書で読みを深める(1)――黒板ツールを使って <2016.06.07>

【第15回】 デジタル教科書で読みを深める(2)――黒板ツールを使って <2016.07.25>

【第16回】 デジタル教科書で読みを深める(3)――人物相関図を作る <2016.09.20>

【第17回】 デジタル教科書で読みを深める(4)――全文表示画面を使って <2016.09.28>

【第18回】 古典に親しむ――架空インタビューで読む「平家物語」 <2016.12.05>

【第19回】 古典を楽しむ(1)――「Contemporary Remix 和歌」 <2017.01.20>

【第20回】 古典を楽しむ(2)――「Contemporary Remix 和歌」 <2017.01.20>

【第21回】 古典を深める(1)――「旅に生きる~おくのほそ道~」 <2017.04.13>

【第22回】 古典を深める(2)――「旅に生きる~おくのほそ道~」 <2017.04.18>

【第23回】 説明文の読みの学習をもっと楽しく――「ダイコンは大きな根?」(1年) <2017.05.23>

【第24回】 リレー朗読で読む――「星の花が降るころに」(1年) <2017.08.30>

【第25回】 「対話的な学び」を引き出す――「誰かの代わりに」(3年) <2017.12.26>

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