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第33回 要約・編集で説明文を読む(1)――「クマゼミ増加の原因を探る」(2年)

そがべ先生の国語教室

2022年9月2日 更新

宗我部 義則 お茶の水女子大学附属中学校副校長

30年の教師生活で培った豊富な実践例をもとに、明日の国語教室に役立つ授業アイデアをご紹介します。

第33回 要約・編集で説明文を読む(1)
――「クマゼミ増加の原因を探る」(2年)

GIGAスクール構想で、1人1台のICT端末環境での授業に、生徒も、そして先生方も、だいぶなじんできたのではないでしょうか。今回は「クマゼミ増加の原因を探る」という教材を取り上げて、「説明文教材の授業でのICT活用のアイデア」をご紹介します。

今回、ご紹介するICTを活用した授業アイデアは、

  1. 「ワープロで要約しよう!(文字入力をほとんどしないワープロ活用術)」
  2. 「筆者の代わりに発表資料をまとめよう!(スライド資料作成で読む)」

の二つです。

「ワープロで要約しよう!(文字入力をほとんどしないワープロ活用術)」

実はこの方法自体は、もう20年以上前からときどき行っているICT活用法なのですが、簡単にいうと、
【ねらい】要約・編集を通して、文章の要点を捉えるとともに、要約のしかた(コツ)を学ぶ。
【方法】ワープロに読み込んだ教材文を、「削除」と「書き換え」で要約する。
というものです。例えば「クマゼミ増加の原因を探る」ならこんな感じです。

〈学習課題〉
「クマゼミ増加の原因を探る」の「研究のきっかけ」を要約して、筆者は「どうして」「何を調べたのか」をズバリつかもう!

■手順1
教材文のテキストデータを配付する。……1ページの中に、作業用と参照用のテキストを貼り付けておく。

■手順2
段落ごとに大事な部分を残し、不要な部分を削除する。
*要点を残す、例や言い換えは削除する等のヒントを与えながら。
*消しすぎたときは、参照用からコピー&ペーストして復活する。

[ルール]

  • 筆者の言いたいことが誤解されないように要約する。
  • なるべく元の文章を生かすが、うまくつながるように多少変えてもよい。
  • 元の段落分けは大切にしつつ、段落を詰めてもよい。

■手順3
他の人の要約を読み合って、過不足を検討する。

■手順4
要約の完成版を仕上げる。

「研究のきっかけ」は、1行50字のワープロ文書でざっと17行の文字数です。これを削っていくのに、

  • 約3分の2=12行以内で筋が通った要約になれば大関
  • 約2分の1=9行以内で筋が通った要約にできたら横綱

などと、要約の文字数・行数などの目標を楽しげに示すと、生徒たちはがぜん本気になって取り組みますよ。
目標については、要約させる文章を実際に教師自身が要約してみて、「1回目の削除でここまで減らせた。そこからさらに検討してここまで減らせた。だとすると生徒の場合は……」などと、教室の生徒たちの実態に合わせて調整してあげましょう。

ちなみに、私が要約してみた9行=「横綱」級要約(笑)を以下に示します。
私が要約してみた9行(411KB)

次回は引き続き、ICTを活用した授業アイデアの二つ目をご紹介します。

宗我部義則(そがべ・よしのり)

1962年埼玉県生まれ。お茶の水女子大学附属中学校主幹教諭。お茶の水女子大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師。平成20年告示中学校学習指導要領解説国語編作成協力者。編著書に『群読の発表指導・細案』(明治図書出版)、『夢中・熱中・集中…そして感動 柏市立中原小学校の挑戦!』(東洋館出版社)、『中学校国語科新授業モデル 話すこと・聞くこと編』(明治図書出版)など。光村図書中学校『国語』教科書編集委員を務める。

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