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4年上巻「どう直したらいいかな」

「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語

2025年8月8日 更新

佐藤綾花 渋谷区立神南小学校指導教諭

4年上巻「どう直したらいいかな」の授業づくりのアイデアを紹介します。

相手や目的をいしきして、文章を見直そう

単元観

書き直す前と後の短文を比べることで、文章を見直すときのポイントを見いだし、それを基に他の例文を直すことによって、推敲する力を高める単元である。書き直す前と後の短文を比べる前に、書き直す前の文章を、相手や目的を意識して直す活動を取り入れることによって、相手や目的をより意識できるようにしたい。

  • 推敲前の文章を、相手や目的を意識して実際に直す時間を設定し、相手意識・目的意識を高める。
  • 推敲後の例文を読んでどの部分をなぜ直したのか話し合い、文章を見直すときのポイントを捉える。
  • 見いだしたポイントを活用して他の文章を直す時間を設定し、今後の学習や生活につなげる。

単元の目標

読む相手や、書く目的を意識した文章になっているか確かめ、文や文章を整えることができる。

評価規準

◎「書くこと」において、間違いを正したり、相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして、文や文章を整えている。[思B(1)エ]
○主語と述語との関係、修飾と被修飾との関係、指示する語句と接続する語句の役割、段落の役割について理解している。[知(1)カ]
○丁寧な言葉を使うとともに、敬体と常体との違いに注意しながら書いている。[知(1)キ]
○進んで例文の直したほうがよいところについて伝え合い、学習課題に沿って文や文章を整えようとしている。[主体的に学習に取り組む態度]

単元の授業過程(全2時間)

学習活動

1

①これまでの学習を振り返り、自分が書いた文章を見直して書き直した経験について話し合う。
T:これまでたくさん文章を書いて誰かに伝えてきましたね。皆さんは、文章を書いた後に見直してから、書き直したことはありますか。どのようなところを直したことがありますか。
・児童から出されたポイントを価値づけ、板書する。
②「初めに書いた文章」を読み、竹内さんが伝える相手と目的を踏まえて直したほうがよいと思うところを考え、文章に書き込んだりノートに書いたりする。
・竹内さんが伝える相手と目的を確かめ、板書する。(板書例:相手…多くの三年生、目的…たっきゅうクラブの見学に来てもらう)
・教科書に直接書き込んだり、ノートにどのように直すとよいか書いたりするよう促す。
・ICT端末を活用し、直した文章を打ち込むこともよい。
T:3年生が読むとき、分かりにくいところはないですか。卓球クラブの見学に来てほしい、という思いは伝わるでしょうか。
③直したほうがよいと思うところについて、理由とともに話し合う。
・児童の実態に応じて、全体で話し合う前に、ペアやグループで話し合う。
・黒板に、拡大印刷や指導者用デジタル教科書(教材)で拡大投影をした文章を提示し、児童が見いだしたポイントを、文章と結び付けて板書する。
・ICT端末に文章を打ち込んだ場合は、端末上で互いの文章を読み合う環境を整えたい。読み合った後、互いの文章を見ながら直した理由を話し合えるようにする。
④「見直して、書き直した文章」を読み、どこをどのように直したか確かめる。
・黒板に拡大した文章を提示する。
・②③で児童から挙げられなかった部分がある場合、その部分に注目できるようにする。
T:みんなが直した部分以外に、竹内さんが直したところはありましたか。
・児童から挙げられたことを板書する。
⑤竹内さんが直した理由について話し合う。
・なぜ段落を分けたのかや、最後に一文を加えた理由などに、児童は注目しないことが想像される。直した理由に注目するよう促す発問によって、相手や目的を意識して文章を見直そうとする意識をより高めていきたい。
T:なぜ竹内さんは、最後にこの一文を付け足したのだと思いますか。
〈評価のポイント〉
※間違いを正したり、相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして、例文を直している。

2

⑥前時の学習を振り返り、文章を直すときに注目するポイントを確かめる。
T:竹内さんの文章を読んで、文章を直すときに注目するとよいポイントがたくさん見つかりましたね。どのようなポイントでしたか。
・児童から挙げられたポイントを板書し、本時の学習にいかすことができるようにする。(板書例:相手が分かりにくい言葉の意味を説明する、「です・ます」「だ・である」をそろえる、内容がかわるところで段落を分ける、目的をいしきして相手に投げかけるなど)
⑦教科書P127の、町の特徴を書いた文章を読み、前時の学習をいかして、直したほうがよいと思うところを考え、文章に書き込んだりノートに書いたりする。
・教科書に直接書き込んだり、ノートにどのように直すとよいか書いたりするよう促す。
・ICT端末を活用し、直した文章を打ち込むこともよい。
⑧直したほうがよいと思うところについて、理由とともに伝え合う。
・黒板に拡大した文章を提示し、児童が見いだしたポイントを、文章と結び付けて板書する。
・相手や目的を意識した発言があれば価値づける。
・児童の実態に応じて、教師が作成した文章や、これまでに児童が書いた文章を読み直し、本単元で確かめたポイントに沿って書き直す時間を設定するとよい。
〈評価のポイント〉
※内容のまとまりで、段落を分けている。
※敬体と常体との違いに注意し、例文の文末表現を直している。

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