みつむら web magazine

3年下巻「つたわる言葉で表そう」

「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語

2025年12月12日 更新

原之園翔吾先生 鹿児島県奄美市立伊津部小学校教諭

3年下巻「つたわる言葉で表そう」の授業づくりのアイデアを紹介します。

「ぴったり言葉」でつたえよう、「3年〇組『作文』てんらん会」

単元観

異なる状況であっても、子どもたちは、「すごい」「楽しかった」などの同じ言葉ばかりを多用してはいないだろうか。子どもたちの表現を豊かにするためには、様子や気持ちを表す言葉に自覚的になり、状況に応じた言葉を吟味、選択する学習が求められる。言葉と言葉の比較を通して、より伝わる言葉で表現することのよさに気づかせたい。

  • 2年下巻「ようすをあらわすことば」で学んだことを振り返る。
  • 言葉と言葉を比較して、言葉から受ける感じの違いを捉える。
  • 付録「言葉のたから箱」を活用するなどして、表したい様子や自分の気持ちに合う言葉を吟味、選択する。

単元の目標

様子や気持ちを表す言葉を吟味、選択しながら、話や文章の中で使い、語彙を豊かにすることができる。

評価規準

◎言葉には、考えたことや思ったことを表す働きがあることに気づいている。[知(1)ア]
◎様子や行動、気持ちや性格を表す語句の量を増し、話や文章の中で使い、語彙を豊かにしている。[知(1)オ]
○「書くこと」において、自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして、書き表し方を工夫している。[思B(1)ウ]
○表したい様子や自分の気持ちに合う言葉を粘り強く吟味、選択しようとしている。[主体的に学習に取り組む態度]

単元の授業過程(全5時間)

学習活動

1

1

①これまでの作文を書いた経験について交流したり、試しに作文を書いたりして、「どのような言葉で表せばよいか分からない」「同じ言葉を多用してしまっている」といった悩みや課題を共有する。
②表したい様子や自分の気持ちに合う「ぴったり言葉」を使って作文を書き、授業参観やPTAなどの保護者が来校する機会に、「3年○組『作文』てんらん会」を開くという単元目標を理解する。

2

2

①教科書P107の3コマ漫画を読み、様子や気持ちを表す言葉を吟味、選択する必要性を捉える。
・「すごいホームランを打ったんだ」(様子)、「本当にすごいなあと思ったよ」(気持ち)の二つの文を言い換える必要性に気づかせる。
②2年下巻「ようすをあらわすことば」の学習を振り返る。
・擬声語・擬態語や比喩表現などを使って、様子を表す学習をしたことを想起させる。
③3コマ漫画の会話文の言い換えを考えることを通し、状況に応じた擬声語・擬態語や比喩表現などを用いることによって、相手に様子が伝わることを捉える。
・「すごいホームランを打ったんだ」を言い換える文として、教師が作成した二つの文を読む。
文A:「ロケットみたいにとんでいくホームランを打ったんだ。」
文B:「カキーンと、目がさめるようなホームランを打ったんだ。」
T:どちらの文を、ロボロボにおすすめしますか。それは、なぜですか。
T:先生が考えた二つの文ではなく、もっとよい表現はないでしょうか。
・本時で何を、どのように学んだのかを振り返る。
<評価のポイント>
※教師が作成した二つの文を比較したり、よりよい表現を考えたりする活動を通して、表したい様子に合う言葉を吟味している。
※自分が選択した様子を表す言葉について、理由を明確にして考えを述べている。

3

④前時の学びを振り返り、本時では、気持ちを表す言葉について学習するという見通しをもつ。
⑤教科書P109の①②の文を読み、言葉によって受ける感じが違うことを捉える。
⑥教科書P166「言葉のたから箱」の「気持ちを表す言葉」を読み、知らない言葉について辞書で調べたり、その言葉がどのような状況で使われるかを考えたりする。
⑦気持ちを表す言葉が、どのような状況で用いられるのかについて、絵に描いたり、動作化したりする活動に取り組む。
⑧教科書P107の3コマ漫画の「本当にすごいなあと思ったよ」を言い換える文を考え、交流する。

3

4

①保護者に伝えたい学校生活の思い出について、200字程度の作文を書く。
②書いた作文を友達と読み合い、表したい様子や気持ちに合う言葉を用いているかを、相互に確認し合う。

5

③前時で受けた友達からの助言を基に、自分の作文を修正する。
④第1時で試しに書いた作文と比較し、どのような変容(成長)があったかを捉える。
⑤単元全体を振り返る。

関連記事

記事を探す

カテゴリ別

学校区分

教科別

対象

特集