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4年下巻「風船でうちゅうへ」

「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語

2024年11月15日 更新

立石泰之 筑紫女学園大学准教授

4年下巻「風船でうちゅうへ」の授業づくりのアイデアを紹介します。

きょうみをもったことを中心に、しょうかいしよう

単元観

本教材は、筆者である岩谷氏が「宇宙へ行くものを自作したい」という不可能だと思われるような目標に対して、何度も試行錯誤を重ね、創意工夫しながら実現していく過程が説明されている文章である。4年生の児童も興味をもって繰り返される実験の様子を読んでいくだろう。

そこで本単元では、それぞれの児童が興味をもったことから紹介したいテーマを選択する。そして、テーマごとに構成したグループで、着目すべき言葉の観点や着目した言葉などについて話し合いながら紹介文を書く活動を設定する。紹介文が完成した後には、異なるテーマの児童どうしで、互いに読み合い、感想を伝え合う場を設定する。そうすることで、児童は一人一人の感じ方の違いやそれぞれの考え方のよさについて気づくことができるだろう。

単元の指導目標

◎文章を読んで興味をもったことや考えたことについて、文章の一部を引用しながら紹介し合い、一人一人の感じ方などに違いがあることに気づくことができる。[思C(1)オ・カ]
○各実験で工夫した点や筆者の思いや考えなど、着目する観点に関連した言葉を本文から抜き出すとともに、それらの言葉を使って自分が興味をもったことなどについて紹介することができる。[知(1)オ]
○それぞれの実験において、筆者が考えたこととそれを支える理由や事例との関係などについて理解することができる。[知(2)ア]
○自分が紹介しようとするテーマが読み手に伝わるように、言葉を選択したり見直したりしようとする。[学びに向かう力、人間性等]

単元の授業過程(全8時間)

学習活動 評価規準と評価方法
1 1・2 ①自分が興味をもったことを中心に要約して紹介する文章を書く活動を行うことを知り、自分が興味をもったことを中心に初読の感想を書く。
②それぞれが書いた感想を分類して、テーマを選択し、似たテーマの児童どうしでグループをつくる。
○学習の見通しをもち、自分が興味をもったことから紹介文に書くテーマを選択しようとしている。[記述・観察]
2 3〜7 ①要約のしかたについて話し合う。
②文章全体の構成を確かめる。
③事例の書かれ方やテーマに応じた言葉への着目のしかたについて話し合う。
③自分のテーマに合った言葉を、本文から抜き出す。
④グループで、それぞれが紹介したいテーマや着目した言葉等を紹介し、アドバイスをし合う。その後、自分の考えについて付加・修正を行う。
⑤要約を入れた紹介文の書き方を確認し、自分が着目した言葉を基に紹介文を書く。
【知】各実験で工夫した点や筆者の思いや考えなど、着目する観点に関連した言葉を本文から抜き出すとともに、それらの言葉を使って自分が興味をもったことなどについて紹介している。[記述]
【知】それぞれの実験において、筆者が考えたこととそれを支える理由や事例との関係などについて理解している。[発言・記述]
【態】自分が紹介しようとするテーマが読み手に伝わるように、言葉を選択したり見直したりしようとしている。[記述]
3 8 ①異なるテーマの児童どうしで新たなグループをつくり、互いに読み合い、感想を伝え合う。 【思C】文章を読んで興味をもったことや考えたことについて、文章の一部を引用しながら紹介し合い、一人一人の感じ方などに違いがあることに気づいている。[発言・記述]

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