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5年「作家で広げるわたしたちの読書/モモ」

「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語

2025年5月16日 更新

樋口綾香 池田市立神田小学校教諭

5年「作家で広げるわたしたちの読書/モモ」の授業づくりのアイデアを紹介します。

作家から広げよう、わたしの読書世界

単元観

本単元では、作家に着目し、読書経験を広げることを目ざす。図書館を活用し、読書傾向を振り返りながら、作家ごとの特徴を探る。児童が興味をもった作家の作品を紹介する活動を通して、主体的に本を選び、読書の楽しさを深めることをねらいとする。

  • 図書館という場の活用 → 本のタイトルだけでなく、本棚を見ながら考えることで、より多くの読書経験を引き出す。
  • 「作家で広げる」という単元のテーマへの導入 → 「本を書いた人=作家」に気づかせ、読書の視点を広げる準備をする。
  • 次時への期待を高める単元の導入→ 学習課題を提示し、次の授業で海外のファンタジー作品を扱うことを伝え、関心を引き出す。

単元の目標

読書経験を共有しながら多様な本の楽しみ方を知り、作家の特徴や魅力を考えることで、読書の幅を広げ、主体的に読書を楽しむことができる。

評価規準

◎日常的に読書に親しみ、読書が、自分の考えを広げることに役立つことに気づいている。[知(3)オ]
○「読むこと」において、文章を読んでまとめた意見や感想を共有し、自分の考えを広げている。[思C(1)カ]
○積極的に読書に親しみ、学習の見通しをもって本の魅力を伝え合おうとしている。[主体的に学習に取り組む態度]

単元の授業過程(全5時間)

学習活動
1 1

①図書館で授業をスタートする。
・本がある環境で始めることで、より多くの読書経験を引き出しやすくする。

②図書館の本棚を見渡しながら、これまでの読書経験を振り返る。
・図書館を歩き回り、これまでに読んだ本を思い出したり、知っている本や気になる本を探したりする機会を設ける。

③読んでおもしろかった本や気になる本の表紙をタブレットで撮影し、グループで交流する。
・「本の選び方」「好きなジャンル」「興味がある分野」などをグループで交流することで、自分の読書傾向を知る。

④本を書いた人に着目する。
・同じ作家の本を読んだことがあるか尋ねたり、作家がどんな人かを調べたりする時間を取り、書いた人に着目することで、読書の楽しみ方を広げる。

⑤作家で読むことのおもしろさをこれまでの読書経験や国語の学習などから考え、交流する。
・「お手紙」を読んだ後にアーノルド゠ローベルの作品(「がまくんとかえるくん」シリーズ)を読んだ経験や、「モチモチの木」を学んだ後に斎藤隆介の作品を読んだ経験を思い出し、作家や作品の魅力に気づけるようにする。

⑥単元の学習課題を知り、次時の学習へつなぐ。
・「作家を中心に本を紹介する」という学習課題を確認し、どんな作家の作品を読みたいかを考える。
・次時では、海外のファンタジー作品を読むことを伝え、新たな読書への期待を高める。

〈評価のポイント〉
※これまでの読書経験を整理し、自分の読書傾向を自覚できている。
※友達との交流を通して、新たな本の選び方や作家への関心を広げようとしている。

2 2~4

①「モモ」を読み、感想を交流する。
②これから読みたい作家を決めて、その作家の本を探して読む。
③教科書P91の「しょうかいカードの例」を参考にして、②で読み広げた本を紹介する文章を書く。

3 5

①自分が選んだ作家や作品の魅力を紹介し合い、気づいたことを伝え合う。
②学習を振り返り、今後の読書生活についての展望を書く。

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