「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語
2025年1月10日 更新
神永裕昭 岐阜聖徳学園大学教育学部准教授
6年「卒業するみなさんへ」の授業づくりのアイデアを紹介します。
学びをつなげていこう
単元観
小学校最後の単元である。本単元では、「中学校へつなげよう」、谷川俊太郎の詩「生きる」、福岡伸一の書きおろし説明文「人間は他の生物と何がちがうのか」の三つの教材が並ぶ。本単元において何か新しいことを学ぶわけではなく、小学校6年間の学びに支えられて、このような詩や説明文を読み、考えることができることを実感させたい。また、教材文のメッセージを受け止め、自身の言語生活を振り返り、中学校進学に向けて前向きな意欲を育む単元にしたい。
単元の指導目標
◯比喩や反復などの表現の工夫に気づくことができる。[知(1)ク]
◯文章を音読したり朗読したりすることができる。[知(1)ケ]
◯目的や意図に応じて、感じたことや考えたことなどから書くことを選び、集めた材料を分類したり関係づけたりして、伝えたいことを明確にすることができる。[思B(1)ア]
◯教材文を読んで理解したことに基づいて、自分の考えをまとめることができる。[思C(1)オ]
◯教材文を読んでまとめた意見や感想を共有し、自分の考えを広げることができる。[思C(1)カ]
◯言葉がもつよさを認識し、思いや考えを伝え合おうとする。[学びに向かう力、人間性等]
単元の授業過程(全4時間)
次 | 時 | 学習活動 | 評価規準と評価方法 |
---|---|---|---|
1 | 1 | ①三つの教材を見渡し、学習の見通しをもつ。 ②「人間は他の生物と何がちがうのか」を読むことを確認し、説明文の読み方のコツを振り返る。 ③「人間は他の生物と何がちがうのか」を読み、筆者の主張を捉え、筆者の主張に対して自分の考えをまとめる。 |
【思C】教材文を読んで理解したことに基づいて、自分の考えをまとめている。[記述] |
2 | 2 | ①「生きる」を読むことを確認し、詩の読み方のコツを振り返る。 ②「生きる」を読み、詩の中で好きなところ、印象に残る言葉を共有する。 ③「生きる」についての自分の感想をまとめ、交流する。 |
【知】比喩や反復などの表現の工夫に気づいている。[発言] 【知】文章を音読したり朗読したりしている。[音読] 【思C】教材文を読んで理解したことに基づいて、自分の考えをまとめている。[記述] 【思C】教材文を読んでまとめた意見や感想を共有し、自分の考えを広げている。[発言] |
3 | ①六年○組版「生きる」を作ることを確認し、個人→グループ→学級全体の流れで、六年○組版「生きる」を作る。 ②完成した六年○組版「生きる」を音読する。 ③六年○組版「生きる」の感想をまとめる。 |
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3 | 4 | ①「人間は他の生物と何がちがうのか」についての自分の考え、「生きる」についての自分の感想、六年○組版「生きる」を基に、「言葉」についての自分の考えをまとめる。 ②教科書P251「こんな力がついたよ。」「こんなときにいかそう。」を記入する。 |
【思C】目的や意図に応じて、感じたことや考えたことなどから書くことを選び、集めた材料を分類したり関係づけたりして、伝えたいことを明確にしている。[記述] 【態】言葉がもつよさを認識し、思いや考えを伝え合おうとしている。[記述・観察] |
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