
「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語
2024年10月11日 更新
青山由紀 筑波大学附属小学校教諭
4年下巻「友情のかべ新聞」の授業づくりのアイデアを紹介します。
ミステリー・ポスターで謎解き話を紹介しよう
単元観
学級内で起きた出来事について、語り手である「ぼく」が疑問を抱き、それを推理していくところが魅力的な作品である。読者は「ぼく」といっしょに、疑問を解き明かす。「ぼく」が何をヒントに推理したのかを読み解くことで、必然的に場面と場面とを結び付けることとなる。また、その前段階として、登場人物の人物像とともに、何が起きたのか、そのときの人物の様子なども時系列で読み取らなければならない。
本教材をきっかけに謎解きのおもしろさを知り、ミステリー作品の読書へといざなうことをねらう。
単元の指導目標
◎「東君」と「西君」の行動・様子や、二人の関係の変化を、場面と場面のつながりを見つけて捉えることができる。[思C(1)エ]
○つながりを見つけながら読む読み方をいかして、ミステリー作品の読書を楽しむことができる。[知(3)オ]
○「ぼく」が何を手がかりに推理したのか、読み取ったことや考えたことを伝え合うことで違いを理解し、共有する楽しさに気づくことができる。[思C(1)カ]
○積極的に場面と結び付けながら登場人物の変化を捉え、進んでミステリー作品を紹介するポスターを作って読み合い、次に読みたい作品を見つけようとする。[学びに向かう力、人間性等]
単元の授業過程(全8時間)
次 | 時 | 学習活動 | 評価規準と評価方法 |
---|---|---|---|
1 | 1・2 | ①題名と扉の言葉を読む。 ②第7場面の終わりまで範読を聞き、「ぼく」がどんな推理をしたのか予想する。 ③最後まで範読を聞き、感想をもつ。 ④「ぼく」が推理した手がかりに気づき、叙述のつながりを見つけて、この物語のおもしろさを探るというめあてをもつ。 ⑤教師によるミステリー作品の紹介を聞いて単元終末の言語活動のイメージをもち、並行読書への見通しをもつ。 |
○問いから学習の見通しをもち、それを解決するための道筋を考えようとしている。[発言・記述] 【思C】登場人物の人物像や行動を読み取っている。[発言] |
2 | 3 | ①登場人物の人物像を捉える。 ②話の展開の中で、東君と西君の人物像とつながるところを考える。 |
【思C】登場人物の人物像や役割を捉え、話の展開の中でつながっているところを見つけている。[発言・記述] |
4 | ①出来事と、そのときの人物の様子を読み取る。 ②曜日ごとに、誰が、何をしたのか、読み取ったことを交流する。 ③出来事や人物の行動・様子と、第8場面の「ぼくのすいり」がつながるところを見つける。 |
【思C】出来事と、登場人物の行動や様子を時系列に読み取り、「ぼくのすいり」とのつながりを見つけている。[発言・記述] | |
5 | ①物語の最初と最後で変化したことを読み取る。 ②題名の意味を考える。 |
【思C】叙述を基に、場面と場面をつないで登場人物の行動や様子の変化を読み取っている。[発言・記述] | |
6 | ①この物語のおもしろさについて、理由を明らかにしながらまとめる。 ②まとめた内容を全体で共有する。 |
【思C】読み取ったことや考えたことを伝え合うことで違いを理解し、共有する楽しさに気づいている。[発言・記述] | |
3 | 7・8 | ①本時の活動の見通しをもち、ミステリー・ポスターに書く内容を確かめる。 ②読んできたミステリー作品の中から、紹介したいものを選び、ポスターを作成する。 ③ポスターを互いに読み合い、次に読みたい作品を見つける。 |
【知】つながりを見つけながら読む読み方を読書でいかしている。[記述] 【態】進んでポスターを作って読み合い、次に読みたい作品を見つけようとしている。[発言・記述] |