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5年「あなたは、どう考える」

「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語

2025年11月14日 更新

大村拓也先生 福岡教育大学附属福岡小学校教頭

5年「あなたは、どう考える」の授業づくりのアイデアを紹介します。

意見文を書き、新聞に投書しよう

単元観

児童は、身近な社会の仕組みなどについて、賛否や是非、「私はこう考える」という意見をもち始める時期である。この時期に、新聞投書を題材に意見文を書き、友達と読み合う活動を設定する。そうすることで、事実と感想、意見とを区別して書いたり、自分の文章のよいところを見つけたりする資質・能力を育成することができると考える。

  • 複数回、意見文を書いたり、交流したりすることができる単元構成によって、事実と意見との関係を具体的につかむ。
  • 主張を示す「~と考える」「~すべきだ」、根拠を示す「~によると」、異なる考えを示す「~という考えもあるが」など、具体的な表現方法を学ぶ。
  • 「説得力の高い構成や表現」「取り入れたい構成や表現」などの観点を基に友達と意見文を読み合い、自分の文章のよさを見いだす。

単元の目標

文末表現に注意し、客観的事象を裏づけとして、事実と感想、意見とを区別して書くことができる。
自分の文章のよさや、今後文章を書くときにいかしたい構成や表現を見つけることができる。

評価規準

◎語感や言葉の使い方に対する感覚を意識して、語や語句を使っている。[知(1)オ]
◎「書くこと」において、文章全体の構成や展開が明確になっているかなど、文章に対する感想や意見を伝え合い、自分の文章のよいところを見つけている。[思B(1)カ]
○文章の構成や展開、文章の種類とその特徴について理解している。[知(1)カ]
○「書くこと」において、目的や意図に応じて、事実と感想、意見とを区別して書くことで、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫している。[思B(1)ウ]
○事実と感想、意見の関係を捉えながら粘り強く意見文を書こうとしたり、進んで友達と互いの文章のよいところを伝え合ったりしようとしている。[主体的に学習に取り組む態度]

単元の授業過程(全6時間)

学習活動

1

1

①考えを書いた文章を友達と読み合ったときに、どのような発見や気づきがあったかを話し合う。
②教科書P185「優先席は必要でしょうか」を読み、自分の主張を明らかにするとともに、その理由を話し合う。
③理由を裏づける根拠として、公共交通機関に乗ったときの体験を想起したり、国土交通省の資料など、客観的事実を調べたりする。

2

2

①教科書P186「倉田さんが考えた構成」、教科書P187「優先席があることで、安心できる人がいる」を確かめ、「予想される反論」「反論に対する考え」を書くことのよさを話し合う。
②教科書P187下段の「考えを表す言葉」を参考にしながら、前時に調べた資料を基に、教科書P185「優先席は必要でしょうか」についての意見文を書く。

3

③友達と書いた意見文を読み合う。
・互いの文章のよいところを見つける際の観点を提示する。
【観点例】
・意見の着眼点のおもしろさ
・理由を裏づける根拠としての事実(客観的データや体験など)の取り上げ方
・予想される反論と、それに対する考えなどの構成
・双括型(最初と最後に主張を述べる)などの全体構成
・主張や根拠を述べる際の文末表現など
④見つけた友達の文章のよいところを、ICT端末を用いて一覧で表示し、学級で共有する。
・児童が見つけた文章のよさについて、なぜよいと考えたのかを問う。
T:どうして、予想される反論とそれに対する考えを、文章のよいところとして取り上げたのですか。
⑤自分の文章のよいところや、今後文章を書くときにいかしたいことをまとめる。
・自分が工夫したところと友達に伝えてもらったところが一致した箇所に印を付け、自分の文章のよいところを可視化する。
・既習単元で書いた文章と、本単元で書いた文章を比較することで、自分の文章の成長した点や、これからいかしたいことを見つけることができるようにする。
<評価のポイント>
※上記の【観点例】を参考にして、自分の文章のよいところや、今後文章を書くときにいかしたいことをまとめている。

4・5

⑥教科書P185の題材例「大事なれんらくは、手書きの手紙と電子メール、どちらでするのがよいか。」「知らない人にも、あいさつをすべきか。」などから興味・関心のあるものを選び、自分の主張を考え、それを裏づける根拠を調べる。
⑦ICT端末を活用して、投書したい新聞社と投書の条件(字数など)を確認し、選んだ題材についての意見文を書き、実際に投書する。(実態に応じて、教師が学級分をまとめて投書するようにする。)

3

6

①友達と書いた意見文を読み合い、「説得力の高い構成や表現」「取り入れたい構成や表現」などの観点に応じて、互いの文章のよいところを伝え合う。
②学習全体を振り返り、自分の文章のよいところや、今後文章を書くときにいかしたいことをまとめる。

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