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1年下巻「どんな おはなしが できるかな」

「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語

2025年10月10日 更新

難波駿 札幌市公立小学校

1年下巻「どんな おはなしが できるかな」の授業づくりのアイデアを紹介します。

どうぶつに なりきって ともだちと おはなしを つくろう

単元観

10種類の動物が扱われていて、1年生にとっては「動物を選ぶ」導入部から、わくわくがとまらない題材である。絵の世界に入り込み、自分が選んだ動物になりきり友達と対話する中で、さらに想像を膨らませていくだろう。動物どうしの対話を通じて、物語がつながるおもしろさを体験し、自分の発言が物語にどんな影響を与えるかを考えながら学ぶ。

  • 相手の発言を受けて、物語がつながるように考えて話す姿を評価する。
  • 「だれが」(主語)「どうした」(述語)の関係に目を向けることができるよう促す。
  • 自分の文章の内容や表現のよいところが見つけられるよう、振り返りの場を工夫する。

単元の目標

相手の話に関心をもち、相手の発言を受けて、物語がつながるように考えて話すことができる。
書いた物語を互いに読み合い、内容を捉えて感想を伝えることができる。

評価規準

◎「話すこと・聞くこと」において、互いの話に関心をもち、相手の発言を受けて話をつないでいる。[思A(1)オ]
◎「書くこと」において、文章に対する感想を伝え合い、自分の文章の内容や表現のよいところを見つけている。[思B(1)オ]
○句読点の打ち方、かぎ(「 」)の使い方を理解して文や文章の中で使っている。[知(1)ウ]
○文の中における主語と述語との関係に気づいている。[知(1)カ]
○「話すこと・聞くこと」において、話し手が知らせたいことや自分が聞きたいことを落とさないように集中して聞き、話の内容を捉えて感想をもっている。[思A(1)エ]
○よりよい物語の完成という見通しをもち、進んで友達の話に質問し、互いの発言をいかして、お話を書こうとしている。[主体的に学習に取り組む態度]

単元の授業過程(全6時間)

学習活動

1

1

①動物が出てくる物語を読んだ経験を出し合い、それがどのような登場人物だったか思い出す。
②教科書の10種類の動物たちが登場する絵を見せ、気づいたことを話し合う。
③「動物になりきり、友達と話して、物語を作る」という学習課題を見通す。

2

2

①10種類の動物からなりきる動物を選び、お話の登場人物を決める。
②それぞれの動物が何をしているかを持ち物や行動に着目して考える。
③「自分が動物になったら、どんなお話になりそうか。」という問いをもつ。

3

④動物になったつもりで、友達と対話をする。
⑤カラスとキツネを例に、「どんな話をしているか」を考える。

・想像を膨らませるのが難しい児童には、持ち物や状況を確認するよう促す。
T:友達の話をよく聞いて、次にどんなことを聞き返したら話が続くか考えてみよう。
・会話した様子を録音し、聞き返すことで、話がつながっているかを振り返るようにしたい。
T:動物たちのお話が続いているか、振り返ってみよう。
<評価のポイント>
※友達の動物の発言や行動をヒントに、「それなら僕もいっしょに○○するよ。」などと、話を広げたり続けたりする発言をしている。
※「それで○○はどうしたの。」や「なんでそう思ったの。」などと、相手の話を深めたり広げたりする質問をしている。
※「僕が○○したから、この話はこんなふうに続いたんだね。」といった形で、自分の発言が物語にどんな役割を果たしたかを理解している。
⑥友達の話を聞くときや友達と話を続けるときに大切なことを振り返る。

3

4

①前時での活動を振り返り、友達と話した内容を思い出しながら、物語を書く。
・学級全員が、物語が完成している状態で第6時を迎えられるように配慮する。
・文章が書くのが難しい児童には、教師が対話を通して子どもの願いや思いから言語化を支援する。短冊等にメモをし、並べ替えることで物語が完成できるようにする。
②主語と述語の関係が成り立つ文になっているかを音読して確認する。
③句読点やかぎ(「 」)を正しく使えているかを確認する。
④物語を書き進め、作品を完成させる。

5

⑤完成した物語を友達に読み聞かせる。
⑥感想を伝え合い、自分の作品の良いところを見つける。

・教師は、感想の伝え方を教科書の「たいせつ」も示して確認する。
T:友達の物語を読んだ後は、どんなことを伝えるといいですか。
T:「いいね。」や「おもしろかった。」の他に、どんなことを言われるとうれしいですか。
・交流中に適宜活動をストップし、最後まで真剣に聞いている児童を価値づける。
・感想を言い終わった後、簡単なサインを友達の作品に書くよう指示する。簡単なサインとは、「いいね」がハート、「おもしろいね」が笑顔などで、クラス全体でサインの意味を共通にしておく。それを、友達の作品のそう感じた箇所の近くに、鉛筆で記入するようにする。
・サインを見て、どんな感想をもらったかを思い出すよう促す。
T:サインを見ましょう。自分が作った物語に、どんな感想をもらいましたか。一つ一つ思い出してみましょう。
<評価のポイント>
※友達が作った物語に関心をもち、内容を正しく捉えて、自分の感想を伝えている。
※友達から聞いた感想を思い出す中で、自分で使った物語の内容や表現のよいところを見つけている。

6

⑦友達と対話した場面、物語を書いた場面、読み合った場面のそれぞれの場面を思い出し、単元全体を振り返る。
⑧本単元を通して、どんな力がついたかや、どんな未来につながりそうかを考える。

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