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6年「デジタル機器と私たち」

「こんな授業ができます!」 令和6年度版小学校国語

2025年6月13日 更新

岡根平 香川大学教育学部附属坂出小学校教諭

6年「デジタル機器と私たち」の授業づくりのアイデアを紹介します。

分かりやすい構成や話の進め方を考えて、提案する文章を書こう

単元観

現在、テクノロジーの発展により、家庭や学校の中で子どもたちは多くのデジタル機器に触れる機会が増えている。そうした経験を通して、デジタル機器のよさを感じるとともに、問題点や危険性を感じている子どももいるであろう。こうした経験を想起させることで、今後も関わっていくであろうデジタル機器との適切な付き合い方について考える必要性を感じさせることができる。また、それを提案・発信するという活動を設定することで、説得力のある構成や事例の選び方に目を向けていくだろう。

  • 提案する際の立場を示すことで、同じ目的意識をもった子どもどうしが交流しやすいようにする。
  • 教師のモデルを提示し、その問題点を話し合うことで、分かりやすく伝えるために、どのような構成や事例などが適切か捉えられるようにする。
  • 環境設定を工夫し、子どもたちが自分の必要に応じて学習の取り組み方を自己選択できるようにする。

単元の目標

デジタル機器との付き合い方について、筋道の通った文章となるように、考えとその理由などのつながりを意識して、文章の構成や展開を考えることができる。

評価規準

◎原因と結果など情報と情報との関係について理解している。[知(2)ア)] 
◎「書くこと」において、筋道の通った文章となるように、文章全体の構成や展開を考えている。[思B(1)イ)]
○文と文との接続の関係、文章の構成や展開、文章の種類とその特徴について理解している。[知 (1)カ]
〇自分が伝えたい内容が伝わる構成になっているか文章を何度も見直したり、よりよい言葉や事例が他にもないか吟味したりしている。[主体的に学習に取り組む態度]
○自分が伝えたいテーマや、自分の必要に応じた学習形態、活動内容を選びながら取り組んでいる。[主体的に学習に取り組む態度]

単元の授業過程(全8時間)

学習活動
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① デジタル機器にはどんなものがあるか出し合うとともに、普段のデジタル機器の使い方を振り返り、デジタル機器には「よさ」と「問題点や危険性」があることを捉える。
② これまでテクノロジーがどのように発達してきたかを知り、「今後、ますます身近になるデジタル機器との付き合い方について提案する」という単元のゴールを設定する。
③ ①で捉えた二つの立場のうち、自分はどちらの面から提案するか選ぶ。
④ 単元のゴールに向けて必要な学習を考え、今後の学習の計画を立てる。

2 2

① 第1時①で出た意見を振り返ったり、本やインターネットなどを使ったりしながら、自分が選んだ立場について情報を集める。また、次時で自分の伝えたいことを考える際に吟味できるよう、必要に応じて同じ立場の人と自由に交流する。集めた情報は、学習支援アプリ上の付箋に随時記入していく。

3

② 集めた情報を基に、提案する内容を考える。集めた情報を入力した付箋は、「提案のきっかけ」「事実」「問題点」などと、「提案内容」「考え」「解決策」などで色分けしておく。

4

③ 教師のモデルを基に、筋道の通った文章にするためのポイントを捉える。
・提案のきっかけと提案内容、事実と考え、問題点と解決策などがつながっていない教師の構成メモを提示し、その問題点を話し合う。
T:自分の伝えたいことを分かりやすく伝えるためには、どんなことに気をつけて構成を考えたらよいのだろう。
・学習支援アプリ上のそれぞれの付箋の結び付きを考えたり、付箋の順序を入れ替えたりしながら比較することで、最適な構成を探していくとよいことを捉える。
④ ポイントを意識しながら、提案する文章の構成を考える。
・実際に学習支援アプリ上の付箋を動かしながら、筋道の通った構成を考える時間を設けることで、自分の構成やそこで扱う内容について最適なものを吟味できるようにする。
・教室内や廊下等の環境を「一人で考えたい人のエリア」と「友達といっしょに考えたい人のエリア」で分けておくことで、自分の必要に応じて学習形態を選べるようにする。また、それぞれのエリア内も、「よさ」と「問題点や危険性」でエリアを分けておき、それぞれの立場の資料やこれまでに学習したことを掲示しておくことで、子どもたちが自由に参考にできるようにする。
〈評価のポイント〉
※筋道の通った文章を書くためには、提案のきっかけ、問題点、提案内容などのつながりを意識すればよいことを捉えている。
※捉えたポイントを基に、自分の伝えたいことが明確になるような構成を考えている。

5

⑤ 考えた構成に沿って、下書きを書く。

6

⑥ 同じ立場の人どうしで下書きを読み合い、文章を推敲する。

7

⑦ 提案する文章を清書する。

3 8

① 自分とは違う立場で作成された文章を互いに読み合い、感想を交流する。
② 単元の学習を振り返り、説得力のある文章を書くために大切だと思うことについてまとめる。

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