みつむら〝ひと〟クローズアップ
2026年2月22日 更新
光村図書 広報部
このコーナーでは、光村図書の教科書にゆかりのある人々にスポットを当て、その業績や横顔などを紹介していきます。
小学校書写教科書の紙面に登場する猫のキャラクターたちがLINEスタンプになりました!
スタンプの発売を記念して、書写教科書の紙面デザインを手掛けてきた大島依提亜さんと、キャラクターのさし絵を担当している絵本作家・石黒亜矢子さんに、猫のキャラクターが生まれるまでを振り返ってもらいました。

教科書は、子どもたちが日常的に触れるデザイン
石黒
書写教科書のデザインを依頼されたときは、どんな気持ちだったんですか。
大島
そもそも僕は映画のポスターやパンフレットなどのフィールドにいたので、教科書のデザインは、意外な依頼だと感じました。
教科書の紙面って、子どもたちが日常的に、継続して触れることになるデザインですよね。いつもやっているグラフィックの仕事みたいに、かっこいいとかおしゃれとかのイメージをつけるよりも前に、もっと根本のところでまっすぐ勝負しなきゃいけない気がしたので、これはけっこうたいへんだなと。
石黒
なるほど。でも、大島さんにこの仕事を依頼した人は見る目があるなあ。
大島
仕事を引き受けてからも葛藤はあったけどね。 例えば、「ミッドサマー」みたいなホラー映画のポスターと同時並行で教科書をやっているときもあって、これ僕がやっていいのかなと思っていました。
石黒
教科書とホラー映画(笑)。大島さんの仕事の振り幅とんでもないですよね。
大島
ゆりかごから墓場までね(笑)。
石黒さんにさし絵を依頼するというのは、大島さんのご提案でした。
大島
書くときの「とめ」や「はね」の動きを表すために、ある種の動きを感じさせる絵が必要だと思ったんです。 石黒さんの猫は、飛び跳ねたり、遊んだりしている。猫は結構身体能力があるし、しなやかだし、体もよく曲がるからちょうどいいなと。
石黒さんは、依頼があったときどうでしたか?
石黒
大島さんの発想力はさすがだと思いました。猫で「とめ」や「はね」みたいな動きを表現するなんて、自分では絶対思いつかないことだから、すごくおもしろいなあと。

「とめ」「はらい」「はね」のイラスト(令和6年度版「書写」1年p12~14より)
書写の教科書ならではのポーズ
大島
石黒さんの絵の不思議なところは、動きを表現しつつ、ポージングがしっかり決まっているところだよね。やっぱりカンフーが好きだから、型みたいに猫にポージングさせるのかな。
石黒
あんまり意識したことなかったけど、そうかもしれないですね。
大島
この猫たちのポーズはすぐに決まったの?
石黒
いえいえ。細かな調整をたくさんいただきました。やっぱり書写の教科書だから、筆使いに合わせてもうちょっとここは反らせてくださいとか、「おれ」の方向によって猫の体の折れ方も変えてくださいとか。編集者さんと何度もやり取りしました。
大島
重要なところだもんね。それにしても繊細な調整だったね。

「はらい」のポーズのラフと教科書紙面(令和6年度版「書写」2年p22より)

「おれ」のポーズのラフと教科書紙面(令和6年度版「書写」2年 p24より)
大島
ところで、石黒さんのお気に入りのポーズはどれ?
石黒
これが好きかな。ぐーんと伸びてる猫。この曲がってる猫も。こういうのは書写の教科書ならではのポーズだから。
大島
ああ、なるほど。丸くなるポーズは猫らしいけど、こんなに伸びるポーズってあんまり見たことがないし、猫に鋭角のイメージはまずないもんね。
(令和6年度版「書写」2年p22より)
(令和6年度版「書写」2年p10より)
「書写の教科書でいい仕事してる猫」として人気に
猫のキャラクターが、あまりにも人気で。あるとき保護者の方の投稿がSNSでバズったんです。「息子の書写の教科書で猫がいい仕事してる」って。

令和6年度版「書写」1年 p17より
石黒
紙面の中でちっちゃいものががんばっているから、みんなかわいいと思ってくれたのかな。
大島
石黒さんは、百鬼夜行のような妖怪の絵をたくさん描いてきて、そこには昔の妖怪画のような型、いい意味での硬さがあったんだけど、この仕事で、別の方向性、柔らかさみたなものも出てきたよね。
石黒
この仕事をやってみて、どういう絵が好かれるのかというのがちょっと分かった気がしました。自分の中に、新たな猫のパターン、バランスが生まれたかなと思っています。
大島
こんなふうにキャラクターとして描くことって、ありそうでなかったもんね。
ついにこれがスタンプになりますからね。本日はありがとうございました。
(2025年12月3日/光村図書本社にて)
「小学校書写」LINEスタンプ発売
石黒さんが描いた書写教科書の猫たちがLINEスタンプになりました!
対談の収録日には、LINEスタンプの打ち合わせも行いました。
大島さんと石黒さん、編集部が意見を出し合いながら、どのイラストや文字をスタンプにするかを決めていきました。


石黒さんが描いた猫のキャラクターたちに加え、半紙に書かれた毛筆の文字も盛り込んだ、充実のスタンプができあがりました。
ぜひご活用ください。
🔴商品の特徴
🖌教科書の猫のさし絵がスタンプに
書写の教科書では、点や画を書くときの「とめ」や「はね」などの筆使いを、猫のキャラクターが、「ぴょん」「ぴたっ」という擬音語と共に全身で表現しています。
今回は、教科書の猫のさし絵を、そのままスタンプにしました。例えば、「ぴょん」と飛び跳ねている猫は、喜んでいるようにも、驚いているようにも見えませんか。
猫のユニークな動きに注目しつつ、いろいろな場面で使っていただけたらと思います。
🖌書写教科書ならではの、毛筆の文字も
半紙に書かれた毛筆の文字もスタンプに!
書き文字は、教科書と同じ手書き文字で、スタンプのために書きおろした文字もあります。その一つが「ビャン」。「世界でいちばん難しい漢字」と言われているそうです。
教科書に載せられるのは、小学校で学習する漢字のみですので、残念ながら、「ビャン」は載せることができません。
でも、「世界でいちばん難しい漢字」と言われたら、ちょっと書いてみたくなりませんか。奥深い文字の世界を楽しんでほしいという思いで、この漢字を入れました。
🔴販売価格
LINEアプリ内スタンプショップ 50LINEコイン
LINE STORE 120円(税込)
🔴購入方法
🔸スタンプショップ
1)LINEアプリ内スタンプショップの検索欄に「光村図書」と入力。
2)検索結果から「小学校書写 ねこスタンプ」を選択。
🔸LINE STORE
https://line.me/S/sticker/32910047
■プロフィール
大島依提亜(おおしま・いであ)
グラフィック・デザイナー。「万引き家族」「秒速5センチメートル」などの劇場パンフレットや映画ポスターのデザインのほか、『ゲーテはすべてを言った』『君のクイズ』(以上、朝日新聞出版)、『へいわとせんそう』(ブロンズ新社)などのブックデザインも多数手がける。
石黒亜矢子(いしぐろ・あやこ)
絵描き・絵本作家。妖怪や創造の生き物、動物を描く。著書に、絵本作品『ばけねこぞろぞろ』(あかね書房)、『いもうとかいぎ』(ビリケン出版)、『ねこまたごよみ』(ポプラ社)、『もののけdiary』京極夏彦/著(岩崎書店)、画集『石黒亜矢子作品集』(玄光社)などがある。
- このシリーズの目次へ
- 前の記事
-
次の記事