
私の美術室
2019年7月10日 更新
全国の中学校・高等学校の先生に、美術室の工夫についてうかがいました。
360度写真で、実際に美術室を訪れたような臨場感が味わえます。
宣 昌大 先生 (大阪府摂津市立第三中学校)
※学校名は撮影当時のものです。
生徒どうしが助け合い、いっしょにゴールを目ざすことができる――そんな美術室にしたいと思っています。そのためにまず、生徒たちが準備や片付けを協力してスムーズに行えるような環境にすることを心がけています。例えば、材料や用具は、「パッと見て、どう片付けたらよいかわかる」ようにする。そうすることで、生徒たちは自由に材料や用具を使い、使った後は助け合いながらきちんと片づけようとします。準備や片付けをみんなで手分けして短時間で行い、制作にたくさんの時間が充てられるようにしています。
ここがポイント
廊下の突き当たりにある美術室。卒業した美術部員が手作りしたという「美術室」のカラフルな文字が、生徒たちを迎える。
「生徒がきちんと片づけたくなるように」と、紙箱に穴をあけて、粘土ベラの収納コーナーをつくった。中には、ヘラの角度までそろえようとする生徒も!
出席番号が記された筆洗。「誰が使ったかわかるということも大事。責任をもって扱うようになります」と宣先生。生徒たちは、丁寧に雑巾で拭いて収納していた。
よく使う用具のコーナー。以前は、セロハンテープを置いていたが、最近、マスキングテープに変更。「マスキングテープのほうが、試行錯誤しやすいから」と先生。
「試し紙」のコーナー。生徒たちが制作の中で、気軽に取り出して使えるようにと、細長い箱に、紙を縦にして入れた。
本来なら捨てられてしまう木端は、「助け合いBOX」に保管。授業中、「何かないかなあ」と、この箱をのぞく生徒も多い。
制作途中の作品は、班ごとに箱に入れて保管。授業が始まると、生徒たちは自主的にこの箱を班の机に持っていく。
元家具職人という異色の経歴をもつ宣先生。名画のポスターの額は、なんと先生の手作り。額に入れると、一気に風格が上がる。