みつむら web magazine

第5回 「遊び」の場として(小西悟士先生)

私の美術室

2025年9月5日 更新

全国の中学校・高等学校の先生に、美術室の工夫についてうかがいました。
360度写真で、実際に美術室を訪れたような臨場感が味わえます。

小西悟士 先生 (埼玉大学教育学部附属中学校)

画像、小西悟士先生

美術室では「遊び心」を大切にしたいと思っています。いまの子どもたちは遊ぶ余裕がなくなっている。遊びという言葉にはいろいろな意味があって、ただ楽しく過ごすことも遊びですが、余白のことを「遊び」と言ったり、結果を恐れずに試してみることも「遊び」と言ったりします。そんな自由な空間、自分がひらめいたことをすぐに試して形にできる空間が、私にとっての美術室です。生徒も遊ぶし、教師も遊ぶ。一緒に遊べる「たまり場」のような場所にしたいです。

ここがポイント

画像、椅子

教室の前の廊下には、先生が集めている名作椅子のコレクションが並べてある。「生徒には本物に触れてもらいたい。実際に座ってみると、見た目とは違う座り心地のよさを感じるはず」と小西先生。

画像、本

椅子の前には、そのときに先生がセレクトしたさまざまな美術関連の本が並べられている。「ここは出入り自由のたまり場のような場所にしたい。椅子に座って、本をめくってみたり、おしゃべりしてみたり」。

画像、道具

教室の後ろにはさまざまな道具がきれいに整理され、収納されている。「生徒が使いたいと思った道具を、自分ですぐに取り出せるようにしておきたい。そこにストレスを感じさせたくない」と先生。

画像、色画用紙の棚

文具店の棚のように色ごとに収納されている色画用紙。その下にはさまざまな素材の紙が、これも色で分類されて置かれている。生徒が使いたい紙を自分で選べるようにしている。

画像、合皮の切れ端

もともとは物置だった美術室前の空間を整え、生徒作品を展示する場に。ここでは生徒が個展を開くこともできる。親しみを込めて、「アトリエこにし」と生徒たちに呼ばれているとか。

画像、撮影用のライトボックス

「アトリエこにし」の入口に設置されたモニターでは、作品とその作者の言葉が映し出される。学校を訪問するお客様や保護者に向け、制作の背景まで伝えることを大切にしている。

画像、マイク

美術室の入り口で生徒を出迎えるのは、鮮やかなネオン看板。眩しい光が生徒たちの感性を刺激する。この光に吸い寄せられるように、生徒たちは教室の扉をくぐるという。

画像、スピーカー

「生徒には、作品を見てもらう機会をたくさん与えたい」。そう考える先生が発明した展示方法は、なんとガチャガチャ。ハンドルを回すと、生徒がデザインした缶バッジが出てくる。

※これらのアイデアは、生徒の安全面に十分留意して行っております。


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