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そがべ先生の国語教室

宗我部 義則

お茶の水女子大学附属中学校教諭

30年の教師生活で培った豊富な実践例をもとに,明日の国語教室に役立つ授業アイデアをご紹介します。

宗我部義則(そがべ・よしのり)

1962年埼玉県生まれ。お茶の水女子大学附属中学校教諭。お茶の水女子大学非常勤講師。国立教育政策研究所「教育課程実施状況調査問題(中学校国語)」作成および分析委員。平成20 年告示中学校学習指導要領解説国語編作成協力者。編著書に『群読の発表指導・細案』(明治図書出版)など。光村図書中学校『国語』教科書編集委員を務める。

第5回 話し合い指導(3)―発表のしかた―

2015.07.13

学習班(4~3人)での話し合いは,その後の学習活動や,学級全体での共有や話し合いへのプロセスです。

学習班での話し合いの「ゴール」を,例えば次のように示します。

ア 『ビギナーズクラシック 竹取物語』で読んだ,どの場面がおもしろかったか紹介し合う。

イ それぞれの「だまし絵」は何を言うための例か,話し合ってまとめて発表できるようにする。

画像,授業風景

活発に話し合う生徒たち。

アのゴール(目標)は,学習班内で,それぞれがおもしろいと思ったところを紹介し合うこと(共有)自体が目的なので,基本的にはそれを全体に発表することはせず,ミニ読書会のような形で「あそこがおもしろかった」「姫はどうしてこう言ったんだろうね」などと学習班内でしばらく話し合って終わります。(このときは,その話し合いの後,各自が「ブックレビュー」作品を作っていく個別学習に展開していきました。)

全体に発表し合う場合も,「主に話題となったこと」や「こんなことについてこんなやりとりがあった」ということなど,発表を担当する生徒が印象に残った内容をシェアしあう形になります。

イの場合は,まさに班で話し合ったことを発表して,学級全体で検討し合う形に展開します。学習班の話し合いはこのタイプが多いかもしれませんね。

こうした話し合いでよく聞かれる悩みは,「発言力のある生徒が話し合いを仕切り,結局その生徒の意見に集約されてしまう」というものです。これでは本当の意味で,創造的な話し合いにもなりません。

そこで,あらかじめ「発表のしかた」について指導しておくとよいと考えます。

つまり,発表に当たっては,

「私たちの班では……という考えにまとまりました」,という形だけでなく,

「私たちの班では,…(A)…という考えと,…(B)…という考えの二つが出てまとまりませんでした。Aの意見は……という考えで,Bの意見は……という考えです。みなさんはどう思いますか?」

という「まとまらない場合」の発表のしかたもあらかじめ指導しておくのです。

学習班での意見交換や議論は,「よりよい考え」を求めて話し合っていくわけですから,話し合った結果,それぞれにとってよりよい考えの形で一つにまとまればそれにこしたことはありません。というか,話し合いは合意の形成を目ざして行います。

こうして一人ひとりの考えを尊重し合う話し合いづくりの上に,「集団的な意思決定=合意形成」の話し合いが育まれていくと考えています。

次回も引き続き,話し合い指導についてご紹介します。

目次

【第1回】 響く声を育てよう <2015.03.31>

【第2回】 力のつく国語のノートづくり <2015.05.11>

【第3回】 話し合い指導(1)―土台固めを大切に― <2015.06.17>

【第4回】 話し合い指導(2)―進行,参加のしかた― <2015.06.29>

【第5回】 話し合い指導(3)―発表のしかた― <2015.07.13>

【第6回】 話し合い指導(4)―考えを可視化する― <2015.09.01>

【第7回】 語彙指導 ―「言葉の宝箱ノート」― <2015.10.13>

【第8回】 「比べる」ことで「考える力」を引き出す <2015.12.02>

【第9回】 「比べる」ことで「読む力」を引き出す(1)――「走れメロス」(2年) <2015.12.09>

【第10回】 「比べる」ことで「読む力」を引き出す(2)――「走れメロス」(2年) <2015.12.15>

【第11回】 読書指導――学校図書館と連携して読書に誘う(1) <2016.02.23>

【第12回】 読書指導――学校図書館と連携して読書に誘う(2) <2016.03.01>

【第13回】 国語学習 三つの誓い <2016.04.04>

【第14回】 デジタル教科書で読みを深める(1)――黒板ツールを使って <2016.06.07>

【第15回】 デジタル教科書で読みを深める(2)――黒板ツールを使って <2016.07.25>

【第16回】 デジタル教科書で読みを深める(3)――人物相関図を作る <2016.09.20>

【第17回】 デジタル教科書で読みを深める(4)――全文表示画面を使って <2016.09.28>

【第18回】 古典に親しむ――架空インタビューで読む「平家物語」 <2016.12.05>

【第19回】 古典を楽しむ(1)――「Contemporary Remix 和歌」 <2017.01.20>

【第20回】 古典を楽しむ(2)――「Contemporary Remix 和歌」 <2017.01.20>

【第21回】 古典を深める(1)――「旅に生きる~おくのほそ道~」 <2017.04.13>

【第22回】 古典を深める(2)――「旅に生きる~おくのほそ道~」 <2017.04.18>

【第23回】 説明文の読みの学習をもっと楽しく――「ダイコンは大きな根?」(1年) <2017.05.23>

【第24回】 リレー朗読で読む――「星の花が降るころに」(1年) <2017.08.30>

【第25回】 「対話的な学び」を引き出す――「誰かの代わりに」(3年) <2017.12.26>

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