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第2回 発想や構想の力を育てるには?

美術の授業お悩み相談室

2020年1月10日 更新

上野 行一 元高知大学大学院教授

授業のお悩み、一人で抱え込んではいませんか? 美術教育の専門家、上野先生が温かく受け止めます。

第2回 発想や構想の力を育てるには?

A 発想を広げる方法を取り入れたり、話し合い活動を工夫したりしましょう。

先生方は発想や構想の力を育てるために、どのようなご指導をされているでしょうか。参考作品を見せる、資料を調べさせる等の指導をされることが多いかもしれませんが、それだけでは十分とはいえません。また、「よく考えましょう」という指示をしてしまいがちですが、それではなかなか生徒の思考は活性化しませんので、発問も含めた学習形態の改善が必要ですね。

生徒の発想を促すには、思考を促すための活動の手順を示すことが大切です。例えば、新しい学習指導要領の総合的な学習の時間編で示されている「考えるための技法」を活用することはその一つです。「考えるための技法」は、教科・科目を越えた全ての学習の基盤となる資質・能力として位置づけられています。

例えば、マッピングはすでに活用されている先生も多いと思いますが、他にもベン図、コンセプトマップなど、発想を広げるさまざまな方法があるので、積極的に授業に取り入れてみましょう。

また、グループでの話し合い活動もひと工夫したいものです。付箋を活用したり、必要に応じてグループのメンバーを入れ替えたりすることで、生徒たちの見方や考えを深めることができ、発想や構想の力を育てることにつながります。

発想や構想の力を育てる授業の例として、下の記事も参考にご覧ください。

「美術準備室」番外編はこちら

1月下旬公開予定の第3回は、「どう評価したらよいか迷います。」という質問にお答えします。

Illustration: 北村人

上野 行一(うえの・こういち)

「美術による学び研究会」会長。高知大学大学院教育学研究科教授、帝京科学大学教授を務める。『私の中の自由な美術』、『風神雷神はなぜ笑っているのか』(光村図書)など著書多数。NHK高校講座「芸術(美術Ⅰ)」を監修。光村図書中学校「美術」教科書の著作者でもある。

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