イベントリポート
2024年11月18日 更新
光村図書 広報部
このほど、光村図書の本社に小学2年生から中学3年生の26人が社会科見学に訪れました。
教科書づくりの現場を体験
光村図書本社を訪れたのは、さまざまな事情で不登校となり、現在はメタバースでの授業を中心に行っているNIJINアカデミーに所属している子どもたちです。この日は、光村図書の招待で教科書づくりの現場を特別に見学してもらいました。
子どもたちは、社内の編集部や管理部門、書庫などのフロアを訪れ、元気にあいさつ。興味深げに制作の現場を観察していました。
編集部員による体験プログラムも行われ、小学校4年の国語教材「ごんぎつね」の校正作業をしたり、実際にデジタル教科書を操作したりするなど、教科書への親しみを深めてもらいました。
また、製作部門の社員が印刷や製本の裏側も紹介。カラーページが四つの色を重ね合わせて再現されている仕組みを学んだり、教科書の丈夫さを確保するために行っている強度試験も体験したりしました。
ふだんはでき上がった教科書にしか触れたことのない子どもたちは、製作過程を間近に感じることができ、目を輝かせながら作業に取り組んでいました。
「こんな教科書がほしい」プレゼンテーション
教科書づくりについて学んだあとは、子どもたちによる「こんな教科書がほしい」のプレゼンテーションです。
子どもたちから提案された「あったらいいな、こんな教科書」からいくつかをご紹介します。
- もっとカスタマイズできて、不登校も含めたバリアフリーに対応した教科書
- 挿絵の食べ物やリラックスできるにおいの出る教科書
- 翻訳機能付き多言語対応教科書
- AI搭載で、質問に答えてくれる教科書
- VRによる物語体験
- しかけ絵本みたいな教科書
- 問題を解いたらポイントやごほうびがもらえる仕組み
- 音声読み上げで、自分の好みの声優を選べる機能
子どもたちの学びへの真剣な意欲や思いが伝わってくる提案に、参加した編集長たちからも、「自分たちもこんな教科書で学びたかった!」「ぜひみなさんも編集会議に参加して、どんどんアイデアを出してほしい」と熱いエールが送られていました。
いっぽう、プレゼンの画面で「教科書、それは、めんどくさいの塊」という本音が大きく投影されたときには、参加した編集長たちも思わず苦笑いするシーンもありました。
NIJINアカデミーの星野達郎校長は、「この体験プログラムを通じて、子どもたちにはいろいろな発見があり、『教科書ってなんだろう』と真剣に向き合っていたようでした。このような社会とつながる体験はとても大事なことで、これからもどんどんやっていきたい」と、新しい社会や新しい自分に出会う機会を喜んでいました。
プログラムを企画した光村図書の社員は、「子どもたちをもっと応援したい」と、今後もこうした子どもたちの夢がふくらむ取り組みを続けていきたいと話しています。