飾りつけ
2015年1月1日 更新
赤木かん子 児童文学評論家
学校図書館に必要なものは何か、どうやって作ればよいのか、壊れた本をどうやって修理すればよいのかなど、実際の写真を示しながらご紹介します。
今回は東京都杉並区立和田中学校のショーウインドウの飾りつけを紹介します。どうしてもこういうものをお見せしようと思うと、月遅れになるか、もしくは一年前のものになってしまいます。なぜって、こういうものを見せられて、「あ、やってみよう」と思ってもらうには、ホントは11月に紹介しなくてはいけないのですが、学校は忙しいので、11月にクリスマスの飾りつけをやってみせるゆとりなんてないからです。だから新しい情報を見てもらおうとすると、どうしても月遅れになってしまうのよ。
本当は廊下に面した壁にガラスを使うのはちょっと怖いのですが、この学校の廊下はそれほど明るくないので、ここに板をはってしまったらさらに暗くなってしまいます。また、改装するときにここの真ん中の棚をはずして全部白く塗り、飾り付け用にしてしまったので、毎月なにかやらなくてはなりません。最初は私(赤木)が考えて買ってきてやっていましたが、途中でだんだん生徒が手伝ってくれるようになりました。
「ダサいのはやめて!」(私)
「トーゼンじゃん!」(生徒)
というわけで、テクニック的にはつたない部分もありますが、私たちがやるよりずっと今風になります、いつも。
こういうものを作るときの注意点は大人仕様にならないこと、おばさんくさくならないようにすることです。中学校の図書室の主役は、あくまでも中学生ですので、担当している大人の趣味で飾りつけてはいけません。子どもたちに、「ここは自分の場所だ!」と感じてもらうことが飾りつけの目的だということを忘れないでください。
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真正面からみたところです。
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ここに二匹いるぶたは、「ぶたぶたさん」といってここの守り神です。もともとの商品名は「ショコラ(絶版です)」なのですが、「山崎ぶたぶた」からもらって、「ぶたぶたさん」と呼んでいます。今月は誰かがくれたマフラーをしています。
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これは舞台裏です。この後ろにイスがかたづけてあるので、「メリークリスマス」のボードが目隠しの役割もしているのです。
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舞台裏その2です。本の立て方も角度を変化させて工夫しています。
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このクリスマスケーキはぬいぐるみです。ものすごく手がこんでいて、本物に見えます。志村さんという人に注文して作ってもらいました。
毎月季節の和菓子のぬいぐるみを作ってもらっているのですが、今回はクリスマスということでケーキを作ってもらいました。
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くまのぬいぐるみのリボンです。地域の大人の方が持ってきてくれたものです。
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これはアドベントカレンダーと言います。
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バイバイ
さて、このページが更新されるころでしたら本来ならお正月の飾りをしたいところですが、学校では飾っても見てもらえる時期が短すぎます。というわけで、たいてい冬の飾りをしたあとは、大急ぎで「卒業おめでとう!」と「入学おめでとう!」の飾りにとりかからなくてはなりません。生徒も入れ替わってしまうので、また手伝ってくれる生徒を見つけなくてはならず、大変です。
赤木かん子
児童文学評論家。長野県松本市生まれ。1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介、書評などで活躍している。主な著書に『読書力アップ!学校図書館のつくり方』(光村図書)などがある。