みつむら web magazine

カウンターまわりの工夫

飾りつけ

2015年1月1日 更新

赤木かん子 児童文学評論家

学校図書館に必要なものは何か、どうやって作ればよいのか、壊れた本をどうやって修理すればよいのかなど、実際の写真を示しながらご紹介します。

今回は、杉並区済美小学校のカウンターまわりの工夫をお見せします。
ここの学校図書館は、大きな部屋ひとつと小さな部屋ひとつからできています。

1

小さい部屋の窓を取り払って、カウンターをつくりました。

2

司書の「カエルくん」が子どもたちを見守ります。


この窓の向こうの小さい部屋は、もともと司書室だったのだと思います。他の学校の図書室にも、司書用に作ったと思われる小部屋がありましたから。でも、改装前はなんにも使っていなかった、というか、もの置き場になっていたみたいです。「みたい」というのは、改装する前の状態がよく思い出せないのよ、もう……。さらに引き戸の窓がはまっていて、しかも壊れていました。

図書担当の先生は、はじめここを絵本室にして欲しいとおっしゃいました。たしかに絨毯を引いて、低学年ひとクラスを入れるには手ごろなサイズではありました。でもそうなると、カウンターから死角になるのと、大きい部屋とのつながりが難しいので、いっそのこと、この窓の戸をとっぱらって、ここに階段をつくったら楽しいだろうと考えました。そう提案すると、先生はとても驚かれましたが、「やってみてもいい」とおっしゃいました。

でも、大きい部屋を片付けたら、思いのほか広かった……というのもあって、小部屋のほうは司書室として使うことにして、窓ふちをカウンターに改造することにしました。

窓をはずして、ふちの壊れたレールその他をはずし、黄色いプラスチックの板をはり、そのうえに半月形のかなり厚い板を三枚買ってきてグリーンに塗り、がっちり止めました。また、カーテンを縫ってもらい、その上の壁にも布を貼りました。部屋のカーテンは、もともとついていたものをそのまま使うことにしました。なので、色の基準はそこにまず合わせ、全部コーディネートしてあります。近くで見て「いいな」と思っても、広いところで使うとイメージが違うことがあるので、この色あわせは難しいです。そうしてここを間違ってしまうと完璧アウトになってしまいますので、部屋中全部のバランスを見てトータルコーディネートしてください。ここだけ見ると、ちょっとハデだけど、こういうのってすぐ見慣れるのよ。

そうして、ここの司書である「カエルくん」を配置して完成!

子どもたち用には少し場所が高いかなあ、と思ったのですが(というより私には少し高かった)、今の子どもたちは大きいのでなんにも問題はない、とのこと(ちぇっ)。図書委員が大喜びでカウンター業務をしているそうです。

赤木かん子

児童文学評論家。長野県松本市生まれ。1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介、書評などで活躍している。主な著書に『読書力アップ!学校図書館のつくり方』(光村図書)などがある。

赤木かん子公式ウェブサイト

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