
みつむら子育て応援特集
2022年7月25日 更新
光村図書がお届けする保護者向け子育て応援特集です。
夏休みの宿題といえば、読書感想文。子どもの読書感想文が、悩みの種という保護者の方も多いのではないでしょうか。昨年の夏、多くの方から好評の声をいただいた本コーナー。今年はさらに心強い助っ人が加わりました! 「国語」教科書の編集委員もつとめる森山卓郎先生(早稲田大学教授)が、子どもが読書感想文を書くときに保護者ができるアドバイスのひけつを教えてくださいます。
「国語」教科書 編集委員・森山先生が教える 感想文の書き方のひけつ
――毎年、読書感想文の宿題がなかなかスムーズに進みません。
そもそも読書感想文を書くことは、本を読んで理解し、さらに自分の考えを展開しなければならないので、とても難しいことなんです。なかなか書けなくてもあたりまえという気持ちで、子どもといっしょに考えましょう。
――最後に、子どもの感想文をサポートするときの、いちばんのひけつを教えてください。
いちばん大切なのは、子どもの考えを尊重して、大人の考えを押し付けないことです。「自分が本当に考えたこと」を大切にしてほしいと思います。じっくり待つことも必要でしょう。普通じゃない感想だっていいと思います。ただ、明らかな読み間違いや読み落としなどは疑問文の形で注意喚起するといいでしょう。
さらに、書いているときは、子どもの表現を尊重することが重要です。言葉の相談役になってあげるのもいいことですし、国語辞典でぴったりの言葉を一緒に探してあげるのもおすすめです。
子どもが書き終わったら、それはそれとして認めることも大切だと思います。読書感想文が嫌いになってしまうのでは何のための宿題かわかりません。小さくとも良いところを見つけて具体的に励ますことができたらすばらしいですね。
森山卓郎(もりやま・たくろう)
早稲田大学文学学術院教授。専門は、日本語文法論を中心とした日本語学、語用論、言語習熟論。光村図書「国語」教科書編集委員。著書『コミュニケーションの日本語』(岩波ジュニア新書)、『日本語の〈書き〉方』(同)、『あいまい・ぼんやり語辞典』(東京堂出版、編著)。『明解 日本語学辞典』(三省堂、共編著)『旺文社標準国語辞典』(監修)など。
教科書、ここが参考になります!
小学校「国語」教科書の巻末「本の世界を広げよう」には、その学年にぴったりの本が紹介されています。
2~6年の巻末にある「言葉の宝箱」には、「考えや気持ちを伝える言葉」が載っています。感想を言葉で表すときに役立ちます。
2年生下巻、3・4年生上巻の巻末には、「原稿用紙の使い方」が載っています。ぜひ清書のときの参考に。
Illustration:こやまもえ